換羽(とや・かんう)の時期には、筒状になった成長過程の羽をよくみかけると思います。
それを包んでいる鞘を羽鞘(うしょう)と呼ぶのですが、羽はこの羽鞘の内側に髄質として形成されていきます。
抜けた太い羽の根元(羽軸)をよく見ると、空洞になった筒の中に乾いて固まった髄質を確認できます。
羽の成分はケラチンという細胞骨格を構成するタンパク質です。
羽として完全に成長すると血液の循環が断たれ、生命としては切り離された存在になり、鳥の死後も羽自身は
朽ち果てることはありません。(肉体の分解には影響されます)
羽が折れたり毛引きで筆毛を齧ったりして羽から出血することがあるのは、成長過程の羽には血液が循環して
生きているからです。(肌からの出血は毛根を痛めたのか自噛行為です)
羽を顕微鏡で拡大して見ると、繊維が絡み合いチャックのように結合されておりますが、そのような細かい
結合といったメンテナンスを鳥たちは羽繕いで行っております。
羽は見た目も美しく、超軽量で機能美にも満ちた不思議な存在ですね。