
2008年の記事をひとまず移行転記、少し加筆中
オウムとインコはクジラとイルカのように大きさで名称を分けているわけではありません。
生物学や形態学的での違いがあります。
分類は目orderまではどちらも同じオウム目ですが、科はわかれます。
オウムはオウム目オウム科、インコはオウム目インコ科やオウム目ヨウム科です。
オウム科の最大種はインドネシアの限られた島に分布するオオバタン。
この記事の最初に掲載している写真で「大型インコ1」と見出し付けられているオウムです。
全長は約50cm、体重は約850g
インコの最大種は南米ブラジルに分布するスミレコンゴウインコ。
同じく最初の写真で「夢おうむ」と商品化されている大型インコです。
全長は約100cm、体重は約1,500g
一般的な認識ではコンゴウインコをオウムとしている例は珍しくありません。
さらにコンゴウインコの分類はヨウム科なので、インコに縁遠い方には混沌とした分類かもしれないですね。
体重で最重量となるのはフクロオウムと呼ばれる地上性のオウムの仲間で、最大で4kg程度あります。
英名や現地語のカカポの名前の方が知られているかもしれません。
オウム目フクロオウム科に分類され、オウム科やインコ科とは科の異なる仲間です。
2019年に発表された化石
史上最大のオウムやインコの仲間が発見されたとして、2019年8月7日に英国王立協会の学術誌「Biology Letters」で発表されました。

オウム目オウム科の最小種はオカメインコ。
全長は約30cm、体重は約100g
オカメインコの和名はインコを冠していますが、オウム目オウム科オカメインコ属に分類されます。
数十年前であればシロビタイムジオウムを俗称でコハクインコと呼んでいたり、分類と同じく以前は曖昧でした。
インコの最小種はニューギニアに分布するケラインコ属の仲間で、中でもアオボウシケラインコが最小とされます。
最小記録は個体差も大きく影響しますが、11.5gで、平均体重でも僅か14g程度です。
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オウム目の分類は昨今ちょくちょく大きな変動もあり、あくまで定説分類としてですが
オウム目オウム科に分類される種は2008年現在で21種。
オウム目インコ科に分類される種は約400種です。
生物の構造と形態に関する形態学において、オウムとインコには多数の相違点があります。
- 胆嚢の有無(オウム有、インコ無)
- 頸動脈の配置
- 頭蓋骨の相違
- 羽毛の組織構造
- 色素の相違
- 冠羽の相違

冠羽とは頭上の羽で、大雑把にいえば冠羽のあるものはオウムです。
但し、冠羽には例外もあります。
ヘイワインコには冠羽があります。
ただ、この冠羽はオウムのような可動式と違って飾り羽です。
可動式という点において、ボウシインコは興奮時にオウムの冠羽と同じ用に首周りの羽が隆起します。
その最たるがヒオウギインコで、エリマキトカゲのように広がります。
冠羽とは言えませんが原理は同じかもしれません。
オウムは南米やアフリカには分布しておらず、オーストラリアとその周辺だけに分布しています。
ただの呼称にすぎませんが、和名にインコと冠するオカメインコやモモイロインコはオウムです。米やアフリカには分布しておらず、オーストラリアとその周辺だけに分布しています。