第9回 国際オウム・インコ会議|IX International Parrot Convention 2018 LoroParque|カナリア諸島テネリフェ島ロロパーク

旧ブログからの移行は停滞中…

第9回 国際オウム・インコ会議

はじめに

第9回 国際オウム目会議「IX INTERNATIONAL PARROT CONVENTION」が2018年9月24日~27日にテネリフェ島で開催されました。

ロロパーク財団によって4年毎に開催されるオウムとインコに関する国際会議です。

この欧州を代表する会議に、世界46カ国から総勢754名が集まりました。

日本からは私を含めて7名。

私はお一人様ツアーでしたが、他は松本壯志さん率いるTSUBASADreameBirdの面々、そして申込みでも大変お世話になった英語ペラペラで頼れるご近所さんの動物行動心理学者ALETTA石綿美香先生。

なんだかんだで50万円ほどの費用も厳しく、15年躊躇してきましたが、今回は私がハイリスクな手術を直前に控えていたことで踏ん切りがつきました。

旅先で痛恨のアクシデントもあったのですが、トータルでは収穫の多い旅でした。

最後の最後に台風直撃で危ういところでしたが、毎回この時期での開催なので次回も同様のリスクはありそうです。


第10回は2022年9月26日~開催され、ロロ・パークの50周年も重なるメモリアル回です。

ここでは会議の概要と第9回のIX International Parrot Conventionを振り返ります。

看板イラストの6種は最高に見たい種ですが、これらわかる人は参加者でさえ少数でしょう。
内3種(ミヤマインコ、キミミインコ、キビタイハネナガインコ)は見れずでした。
開催地はカナリア諸島のテネリフェ島


開催地は日本から西へ約12,000kmにある常春のリゾート地、カナリア諸島の「テネリフェ島」。

西アフリカ北西沿岸から近い大西洋上に浮かぶ8つの島からなる群島です。

1483年にスペインが征服して以来のスペイン領で、大航海時代には一大拠点となりました。

青空火山砂漠など多彩で豊かな自然に囲まれた島々です。

場所にもよりますが1年を通して穏やかな気温で、雨が少なく湿度も低くて過ごしやすい場所です。

さらに治安が良くて物価も安い

マドリードから空路で約2時間半、ヨーロッパ全域からも5時間前後で、欧州の楽園とも呼ばれます。

このリゾート地には2017年で1,431万人の外国人観光客が訪れています。

日本からの直行便は無く、最短となるのはスペイン・マドリード・バラハス空港(MAD)を経由したテネリフェ・ノルテ空港(TFN)への空路です。

成田からマドリードまでは直行便で約14時間、マドリードからテネリフェまでは約3時間。

空港からロロパークの所在する街のプエルト・デ・ラ・クルース(Puerto de la Cruz)まで約30km、タクシーで約3~40分です。


カナリア諸島(スペイン語名:Islas Canarias)はその名の通りにカナリア(金糸雀の原産地の1つです。

但し、カナリアがいるから名付けられたわけではなく、むしろ逆です。

しかも、Canariaとは「」を意味します。


犬の由来には諸説あるようですが、wikipediaによれば「アフリカの北東部に住むベルベル人の一民族であった「カナリイ」から派生した」説が有力だそうな。


今回は観光とまったく無縁でしたが、ネットで観光紹介をみると楽しそうな場所が満載です。

International Parrot Conventionの概要

正式名 International Parrot Convention(インターナショナル・パロット・コンベンション)

オウム目に関する情報や保全プロジェクトで得た情報の報告や共有の場として1986年から始まったものです。

開催地は大西洋のテネリフェ島で、4年ごとに開催されます。

世界中から保全保護活動家、学者、獣医、繁殖家、動物園ほか様々な分野でオウムやインコに接する人たちが集まります。

そこで3日間に渡り約20名のスピーカーによって講演が開かれます。

2018年の第9回会議では、世界46カ国から総勢754名が集まりました。

お祭り要素も高く、期間中は毎夜ゴージャスなパーティや式典も開催されます。

ドレスコードほどではないにしても、正装っぽいことを求められます。

Loro parque Foundation(ロロ・パーク財団)」について

主催は絶滅危惧種自然環境保全を活動目的とした「Loro Parque Fundación(ロロ・パーク財団)」。

動物園「Loro parque(ロロ・パーク)」と直結した組織です。

ロロ・パークは元々バード・パークで、特にオウム目のコレクションは世界最高峰です。


LPF(ロロ・パーク財団)はIUCN/国際自然保護連合の国際財団メンバーで、1994年に設立されました。

5大陸の約30カ国200以上保全プロジェクトに関わる世界的な組織です。

2020年末時点で進行中のプロジェクトは53。

これまでに2,300万ドル/32億円以上活動資金を捻出しています。※Interview-


保全活動で主な柱となるのは「研究」「種の回復」「生息地の保護」「地域コミュニティの改善/教育」。

いずれも膨大なコストが掛かります。

その活動資金を捻出する最大の資金パートナーが動物園「Loro parque(ロロ・パーク)」です。

2018年時点では、年間で約200万ユーロ(2億5千万円)を支援しています。


どちらも創業者はヴォルフガング・キレスリング(Wolfgang Kiessling)氏で、一代で築き上げたものです。

1937年9月7日うまれ(81歳/2018年現在)のドイツ人。



最近大きな話題になっていたLPFの関わるものとしては、ヒワコンゴウインコを筆頭としたエクアドルの保全でしょうか。

エクアドルで保護区として広大な土地を購入し、その私有地での保全活動でFundación de Conservación Jocotocoという組織です。

ハチドリやらホウカンチョウやら色々な種が対象ですが、オウム目に限ると

・ヒワコンゴウインコ/亜種エクアドルヒワコンゴウインコ(Ara ambiguus guayaquilensis)
・ミヤマインコ
・エルオロウロコインコ
・ムナジロウロコインコ

が挙げられます。

オウム園/Loro Parque ろろぱるけ の概要

Loro Parqueとはスペイン語でオウム公園(Loro/オウム+Paque/公園)です。

日本語発音は「ろろぱるけ」。英語表記なら「Loro Park」。


園長は創業者であるヴォルフガング・キレスリング氏で、1937年9月7日うまれ(81歳/2018年現在)のドイツ人。

一代で大事業へと築き上げた起業家であり経営者でもあります。

ロロ・パークの中心部には住まいもあるので、いわば園そのものが彼の王国です。


1972年12月17日にロロ・パークは開園されました。

当初はバードパークへの銀行融資の理解を得られず、自分たちで力仕事をして施設を作りあげていく厳しい船出だったそうで、奥様とで土地を均すところからはじめられたとか。

開園時は1.3㌶に25人のスタッフで鳥は150羽だったそうです。


それが年間4000万人以上が訪れるカナリア諸島で最大の施設に発展し、2018年時点ではグループ全体での従業員は1,000人、間接雇用は10,000人だそうです。

広さは10倍の13.5㌶となりましたが、上野動物園と同程度なので程よい広さです。(東京ドーム約3個分)

100回以上訪問している世界一好きな園ジュロン・バードパークは20㌶ですが、蒸し暑さとスコールと歩き疲れでクタクタの戦いになります。


いまではバード・パークというよりも動物園と呼ぶべき展示内容で、シャチやイルカなどの海洋動物からゴリラ、コビトカバ、オオアリクイ、ライオンほか哺乳類や両生類、爬虫類、魚類など多彩に展示されています。

むしろ一般客にとってはオウムやインコよりもそれらがメインでしょう。

しかし、オウム目へのこだわりは飛び抜けています。

素晴らしきロロパーク

ロロパークで最大の魅力は世界最大のオウム目コレクション

分類上の全オウム目の種数は約400種ですが、その80%程度にあたる約350種を4000羽以上を有しています。

しかも出来る限り亜種までの分類をわけたペアリングをした上での展示と繁殖が行われています。

例えば、アオボウシインコA.a.aestivaとキソデアオボウシインコA.a.xanthopteryxにきちんとわけられています。

日本に限らずですが、亜種はおろか種の区別さえもわかっていないところはザラです。

ともすれば種と品種の違いも怪しいぐらいに。


ロロパークでは、すべての種でDNAによるワイルド純血の血統検査を重んじています。

近親交配を避けるための血統問題も相当厳しい基準で行っているそうです。


セキセイインコ、オカメインコ、ラブバードといった一般的なペットバード種の展示にしても、所謂ワイルドっぽいノーマルではなく、ちゃんとした原種が展示されています。


純粋な種や亜種だけをきちんと分類しているため、ハイブリッド色変わりなどの雑種や品種は一切いません

ロロパークが種の保全活動や研究活動を真剣に取り組んでいることの現れでもあります。

素晴らしきロロパーク2

ロロパークには他では中々拝めないようなときめく種も大勢います。

飼育にはブラジル政府の許可がいるコスミレコンゴウインコをはじめ、2018年現在では世界で唯一の展示であるクリムネインコなど、かなりうっとりです。

但し、特に希少性の高い種は繁殖センターにいるため、ロロパークで一般展示されるのは繁殖が頻繁に成功している種に限られます。

一時は絶滅寸前だったネズミムネウロコインコも賑やかな展示に。

ときめいた種を思い返して羅列すると
アオハラインコ、アカオボウシインコ、オウボウシインコ、アオマエカケインコ、アズテックインコ、シロガシラインコ、アカノドミミカザリインコ、セイロンミドリワカケインコ、ミドリワカケインコ、ヘイワインコ、キゴシヘイワインコ、ハシブトルリハインコ、アポインコ、クスダマインコ、コウゴウインコ、ニセズグロオビロインコ、ラブバード原種たち、、、

逆に、第9回国際オウム会議のポスター看板になっている種は皆見れると思い込んでいたことと

他にも期待していたものの見れなかった種も数多く、特に残念だった種としては

アオコンゴウインコ(Spix’s macaw,Cyanopsitta spixii)
ミヤマインコ(Golden-plumed parakeet,Leptosittaca branickii)
キミミインコ(Yellow-eared parrot,Ognorhynchus icterotis)
サンゴバシインコ(Coral-billed Parrot,Pionus sordidus corallinus
ワタボウシミドリインコ(Grey-cheeked parakeet,Brotogeris pyrrhoptera)
アカコザクラインコ(Agapornis roseicollis catumbella)

などをはじめ、勝手に確実視していたのでガックリと…

巣箱から出て来ないために見れなかった種もおり、2,3日で一巡出来るようなものではありませんね。

アオコンゴウインコはてっきり1ペアを残していると思い込んでいましたが、既に全羽がACTPに移されたあとでした。

素晴らしきロロパーク3

ロロ・パーク内は非常に清潔に管理されており、至るところから次亜塩素水の匂いもします。

スコールが無いにも関わらず白い糞汚れがこびり付いていることもありません。

自然の森の中のようなフライングドーム展示もありますが、小型のケージ飼育も沢山あります。

小型といっても幅1~5m✕奥行き3~5m✕高さ2mほどですが、きっちりと管理飼育されています。

ロロパークの紹介ではなく、国際会議に辿り着けないので一旦略。

他の施設とパーティ

ヴォルフガング・キレスリング氏の手掛ける施設はロロ・パークだけではありません。

ウォーターパークのサイアムパーク(Siam Park)、グラン・カナリア島にヨーロッパ最大となる水族館ポエマ・デル・マー(Poema del Mar)、5つ星ホテルのボタニコ(HotelBotánico)、レストランなども経営しています。

2017年に開業した水族館の設計には日本人が大きく関わっていたそうで、それもあってか日本人に好印象な様子で、たまたま園内で見かけた我々に話しかけて来られてビックリしました。

次はグラン・カナリア島にサイアムパーク2もオープンするので遊びに来てね、とも。


コンベンション期間中には盛大な歓迎会、表彰式、そして毎夜ゴージャスなパーティも開催されます。

その会場は、氏の経営されるホテル・ボタニコの豪華な庭園やレストランです。

正装されたレディース&ジェントルメンの集いは映画の1シーンのようなのですが、場違いな私は落ち着かないですがー


氏は連日連夜のパーティにも出席されていてパワフルな方でしたが、第10回の2022年でご健在なら85歳。

おそらく生涯現役なのでしょうが、どこかのタイミングで息子のクリストフ・キレスリング(Christoph Kiessling)氏が取り仕切るのかもしれません。

クジラ目と動物愛護団体

ロロ・パーク財団の保全の対象は主にオウム目とクジラ目です。

ロロ・パークの海洋生物でのトップスターはシャチです。

シャチの保全にも莫大な資金を投入し、様々な功績を残しております。

しかし、動物愛護団体のシャチやイルカに対する攻撃性は凄まじく、日本でも太地町やシーシェパードでなんとなく想像は繋がります。

タイムリーに今回訪れる少し前にロロ・パークのシャチで世界的なニュースになったのですがー

過激な動物愛護団体のメンバーがシャチのショーでプールに飛び込んでプラカードを掲げて妨害した件です。

ロロ・パークはブチ切れており、今回の国際会議でも「過激な動物愛護団体と動物園の戦い」というテーマが臨時で1枠設けられました。

日本のインコ飼いだけをみてもネットには驚きの短絡的愛護系正義マンが溢れているんだろうと思いますが、過激な愛護団体はそういった草の根も扇動しつつメディアや政治も巻き込んで竜巻を起こす大怪獣という感じ。

ヒシヒシと思い当たる部分があり、大変興味深い内容でした。

IX International Parrot Conventionの概要

第9回 国際オウム目会議「IX INTERNATIONAL PARROT CONVENTION」の開催日は2018年9月24日~27日。

スピーカーは21名でした。

保全活動家、学者、獣医、ブリーダー、動物園スタッフ、映像作家など

ロロパーク財団が関わる保全活動の報告、学者による識別やフィールドリサーチ、密猟の現状、獣医師による事例報告、ブリーダーによる繁殖実績や応急医療方法、過激な動物愛護団体との戦い方などなど

以下、各スピーカーの内容を掻い摘んで簡単に紹介。を後日追加していくということで

スピーカー

1day
■Maikel Cañizares
■Chris Touchton
■Volker Seidl
■Rosemary Low
■Miguel A. Gómez Garza
■Dr. José L. Tella
■Robert North

2day
■Dra. Anastasia Krasheninnikova
■Erica Pacífico
■Tony Silva
■Professor Dr. Gerry M. Dorrestein
■Marcia Weinzettl
■George Olah

3day
■Nuhacet Fernández Gallardo
■Dr. Javier Almunia
■Luis Ortiz Catedral
■Rafael Zamora
■Thomas Arndt
■Anil Garg

以下各スピーカーの講演内容を簡単に掻い摘んで

Rosemary Low

世界で最も著名な女性鳥類学者と言えるでしょう。

ローズマリー・ロー博士の関わってきた40年に渡るインコ・オウムの保全の歴史と進歩についての講演。

下記は公演時のメモまとめを一旦そのまま。

追々コンパクトにまとめ直して。。。

全21名分なんてやってられないかも



■Rosemary Low ローズマリーロー
 We are currently updating this section
 オウム目の保全活動、40年の進歩
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

このコンベンションから40年前の1978年頃には野生のオウムやインコに関する情報はほんの少しだけでした。

例えば、アオキコンゴウインコの発見の記録は1921年ですが、1992年に再発見されるまで絶滅していたとも考えられていました。

コスミレコンゴウインコは1978年になって生息地が特定され、スミレコンゴウインコの亜種ではない別種であり絶滅寸前の危機に直面している事がわかりました。

●コスミレコンゴウインコの写真 保全活動が実を結びつつあり2008年にCRからENに。

……………………………………………………………………………………………………

初期の保全プログラムは、一人の先導者が長期に渡って指揮を執る事で成功しました。

東アフリカ・モーリシャス諸島のモーリシャスホンセイインコはCarl Jones UK
ニュージーランドのフクロオウム(カカポ)はDan Merton NZ
カリブ海のイロマジリボウシインコはPaul Butler UK

……………………………………………………………………………………………………
世界中の専門家で1993年~1998年の保全活動アクションプランを作りました。

……………………………………………………………………………………………………
野生のオウムやインコたちの多くは生息場所の消失や違法な取引などによって絶滅の驚異にさらされています。

世界の状況
オウム目の生息環境は急速に悪化しており、2016年の調査では全398種のうち28%にあたる111種が驚異にさらされています。
減少は56%
増加している種は僅かに7種のみです。

……………………………………………………………………………………………………
野生のオウム目は世界124カ国に生息していますが、特定の場所にのみ生息しているものほど絶滅リスクは高くなります。

オウム目の45%は1つの国での固有種で、特に保護活動の急務となるのはインドネシアです。

続いてブラジル、オーストラリア、コロンビア、ボリビア、エクアドル、パプアニューギニア、ベネズエラ、メキシコが挙げられます。

……………………………………………………………………………………………………
複数の驚異の例
アカミミコンゴウインコ(Ara rubrogenys|Red-fronted Macaw)の野生下における生息数は1,000羽以下です。
驚異の要因は
・商行貿易や密漁
・特定の生息地にしか生息出来ない
・僻地や極小規模な生息地
・生息地域の破壊
・特定の限られた餌しか食べない

……………………………………………………………………………………………………
ロロパークでも保全活動のためLPFを1994年に設立。
世界で64の期間や大学と連携しています。
……………………………………………………………………………………………………
1800万ドルを投じたうち70%がオウム目の保全活動にあてられています。
……………………………………………………………………………………………………
IUCNレッドリストで「絶滅のおそれのある種」に分類される3段階(CR「絶滅寸前」,EN「絶滅危機」,VU「危急」)にオウム目は数多くが登録されています。

IUCN(国際自然保護連合)のThe IUCN Red List of Threatened Species 2001年版 (ver. 3.1)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88

EW 「野生絶滅」

CR 「深刻な危機」<近絶滅種>(絶滅危惧IA類)
EN 「危機」<絶滅危惧種>(絶滅危惧IB類)
VU 「危急」<危急種>(絶滅危惧II類)

NT 「準絶滅危惧」<近危急種>(準絶滅危惧)
LC 「低懸念」<低危険種>

……………………………………………………………………………………………………
鳥類の絶滅危惧種は2000年から2015年の間に

CR14→17種
EN29→40種
VU45→53種
NT30→60種
に増加しています。

……………………………………………………………………………………………………
キエリボウシインコは過去30年で密猟と生息域の消失によって個体数は激減しています。

……………………………………………………………………………………………………
ココノエインコは1998年まで果実を食べてしまう害鳥として狩猟対象とされていました。
2015年8月31日までは商業トラップも許可されていました。
場所によっては絶滅した種もいます。
商業トラップを許可することで政府が収益を得ていた。
ライセンスがあれば卵の採取は今でも許可されている。
これらに対するココノエインコの保全活動はBen Pearce氏が20年来注力しているが、未だに保全プログラムは無く、Ben氏による政府への働きかけのみです。

……………………………………………………………………………………………………
保全状態の評価

ミヤマオウム
2017年に絶滅危惧にアップグレードされた
ココノエインコ
98年までは害鳥扱い。リストされていない

……………………………………………………………………………………………………
2017年の変更状況の理由
フィールドワーク:知識が増えた
居住地の消失またはそれが予想される
違法の罠の増加または継続
新しく種が分かれた
他の脅威が増えた(毒など)
保全プロジェクトがうまくいっている
世界取引の分析
ヨウムは世界取引の分析により絶滅危惧にリストされた

……………………………………………………………………………………………………
2017年にアップされたリスト
Psittacus erithacus(ヨウム)
Psittacus timneh(コイネズミヨウム)
Amazona auropalliata(キエリボウシインコ)
Pyrrhura leucotis(ホオジロウロコインコ)
Nestor notabilis(ミヤマオウム)

以前はリストされていなかったが登録された
Pionites Leucogaster xanthomeria 2014年にシロハラインコからキソメシロハラインコが昇格
Pionus reichenowi reichenowi 2017年にアケボノインコからアオアケボノインコに昇格

理由
2 居住地の消失またはその可能性
3 違法トラップの増加または継続
4 新しく種が分かれた
5 さまざまな脅威、毒
6 世界取引の分析

……………………………………………………………………………………………………
LFPも参加している保全活動によって絶滅の危機から救われつつある種もいます。

巣の提供や保護だったり、現地の住人や学校への保全教育プログラム、保護地の確保、法の整備、助成金、飼育下での繁殖など。

ミヤマオウム/カカポ(巣の保護、飼育下で育てる)
アカビタイボウシインコ(飼育下で育てる)
キミミインコ(教育、巣箱、保護地)
コスミレコンゴウ(保護地、教育、コーン助成金)
アイバネインコ(巣箱、保護地)
モーリシャスホンセイインコ(保護地、飼育下の繁殖、巣箱)

……………………………………………………………………………………………………
2016から2017年にかけてダウンリストしたインコ

アカオボウシインコ VU→BT
アカボウシインコ EN→VU
アカガオイチジクインコ EN→VU
アオハシインコ NT→LC
ヘイワインコ END→VU
ネズミムネウロコインコ CR→EN

……………………………………………………………………………………………………
2つの主な減少理由
1.生息場所の減少
2.罠、ヒナ泥棒

減少している大きな原因は生息地の減少と違法な取引によるもので、以前の保全状況では時代遅れなほど驚異は進んでいます。

……………………………………………………………………………………………………
ブラジル:衰退する森、セラードと他の生息地

世界最大のインコの国でもあるブラジルでは人口が1940年の2千万人が2014年には2億人に急増し、森林や草原地帯(セラード)などの生息地域が急速に失われていっています。

……………………………………………………………………………………………………
成功している保全活動

巣箱の提供で最近成功を収めている保全プログラム
ネズミムネウロコインコ
エルオウロコインコ
キンソデウロコインコ
ミドリアカオウロコインコ
スミレコンゴウインコ
アカオボウシインコ
ノーフォークインコ
他に絶滅の危機に瀕してるアイアバネインコなど

……………………………………………………………………………………………………
最も成功している保全活動

ネズミムネウロコインコ
巣箱設置で絶滅の危機から救った
保全教育
居住地の保護
出来れば法整備も

……………………………………………………………………………………………………
ネズミムネウロコインコ Grey-breasted , Pyrrhura griseipectus

2005年に独立種として認定
2016年に巣箱の設置で救われた

・大規模なコーヒー農園の進出で生息地がピーク時の13%にまで減っています。
・2005年に独立種として認定され、より保全活動が積極的に行われています。
・2017年には51羽の雛が孵化して38羽が巣立った
・2018年には340羽の雛が孵って234羽が巣立ちました。

……………………………………………………………………………………………………
2010年までに60の巣箱を設置

・PCVの巣箱は無視され、木の巣箱が好まれました。

それ+自然の巣

……………………………………………………………………………………………………
コロンビアとエクアドルで大成功を収めた保全活動で救われた種

ミドリアカオウロコインコ
アカエリアカオウロコ
キンソデウロコインコ
エルオロウロコインコ

……………………………………………………………………………………………………
スミレコンゴウインコは1980年代に10,000羽が違法で捕獲されました。

現在は保全活動の成果で6,000羽まで回復。

……………………………………………………………………………………………………
人工の巣箱の設置

繁殖ペアの増加

保護活動範囲の拡大

……………………………………………………………………………………………………
ツーリストロッジから数メートル離れた場所で子育てをするペア

……………………………………………………………………………………………………
Barraband’s Parakeet ミカヅキインコ

・ミカヅキインコはニューサウスウエルス州とビクトリア州の狭い範囲に生息する種で、生息地域の森林は75%が消失して深刻な事態に。
・2000年にはボランティアが40,000本の木を植えたが、巣が出来るほどまで育つには100年かかるといわれます。
・ニューサウスウエルスでは200本の木に巣穴を作りました。
・ミカヅキインコは同じ木に異なるペアが生活する集成があり、巣穴を作るコストを軽減でき、北部では数を増やしつつあります。
・餌の減少も深刻で、道路に溢れた穀物を拾うために轢かれる事件もあります。

……………………………………………………………………………………………………
オトメインコ Swift Parrot

オトメインコはフクロモモンガに壊滅的に捕食され、3世代(16年)で95%が減少して2000羽以下に。

2017年には夜間は自動的に巣箱の扉が閉まる巣箱を300個設置し、夜行性のフクロモモンガが入れないようにしました。

新しい巣箱に効果はあるが、根本的に生息エリアが狭すぎるうえに開拓がまだ進んで消失が進んでいる。

……………………………………………………………………………………………………
1980年から増加している種

その大きな理由

教育 イロマジリボウシインコ 250羽→1,750
教育 オオボウシインコ 370~470→600
教育+巣箱 アカオボウシインコ 3,000→7,500
教育 キボウシインコ 700→2,000

……………………………………………………………………………………………………
教育プログラムの側面

・学校
・読み物
・ビジターセンター
・お祭り
・動物園

……………………………………………………………………………………………………
移動保全教育活動

アンデスのロロバス
コロンビアはバスによる移動保全教育学校

……………………………………………………………………………………………………
キミミインコ|世界で最も成功しているインコ保全プロジェクト

世界で最も成功している保全プログラムの1つとして、キミミインコの巣や餌となるアンデスロウヤシの破壊を防いだこと。
1998年から開始されたキミミインコのNGOであるProAvesとLFPの共同プロジェクトで、1999年に82羽にまで数を減らして危機的状況だったものが、2003年には615羽、2010年にCRからENへダウングレード。
LFPではこのプロジェクトに150万ドル(約1億6600万円)を支援しています。

……………………………………………………………………………………………………
子供向けの絵本やクラフト品で基金集め

テレビドキュメンタリー番組、ビジターセンター、フェスティバル、グッズ、写真コンテンスト
地元のガイドの育成など

……………………………………………………………………………………………………
イギリスのチェスター動物園

……………………………………………………………………………………………………
違法取引反対のメッセージ

WCの個体を買いますか?

……………………………………………………………………………………………………
インドネシアでは教育がうまくいっていない。

違法な密猟も存在
インドネシアには70種のオウム目が生息しており、そのうち38種は固有種。

……………………………………………………………………………………………………
違法な罠をしかけるインドネシア

デコイで呼び寄せ、トリモチで捕まえる。

……………………………………………………………………………………………………
2017年にインドネシアで押収されたオオハナインコとコバタン

Tasikori wildlife centre
ワイルドライフセンターでケア

何百と密猟が続きます。
我々に何が出来るのか?
認知度をあげる?
資金を集める?

……………………………………………………………………………………………………
オーストララシア

オーストララシア(オーストラリア大陸・ニュージーランド北島・ニュージーランド南島・ニューギニア島およびその近海の諸島(インドネシアの領域を含む)を指す地域区分)では研究が少なくて保護プログラムも殆どないのが現状。

CR絶滅寸前4種、EN絶滅危機3種、VU危急7種

コバタンなど4種のオウム、ショウジョウインコなど9種のローリーとアラゲインコが含まれます。

……………………………………………………………………………………………………
ローズマリー自身の記事でもこういった現状への認知度を上げることに努めている。

……………………………………………………………………………………………………
ヤクシャインコ Red and Blue Lory

ヤクシャインコは密猟によって既にほぼ絶滅に近い状態であるのに未だに森林には罠が仕掛けられている。

ヤクシャインコの保護活動にLFPは$43,340を出資している。

1990年代には毎年1,000~2,000羽が罠で捕まります。

亜種のタロートヤクシャインコ(E. h. talautensis)は生き残りました。

強力な保全教育を行いました。

2014年と2015年にフォローアップ調査を行う(LPF)。

局所的な捕獲が森林地域では依然として一般的に行われていた。

LPFからの出資はUS$43,340

……………………………………………………………………………………………………
2005年以前の違法取引

2005年以前の違法取引は、輸出された数の方が現在の野生生息数よりも多く、それらは罠で捕まった。

アオキコンゴウインコ、メキシコアカコンゴウインコ(A. m. cyanopterus)、キエリボウシインコ、カラカネボウシインコなどは

……………………………………………………………………………………………………
世界で最も脅威に晒されている属

・34種いるボウシインコのすべてが絶滅危惧されている

・CR絶滅寸前1種、EN絶滅危機8種、VU危急10種、NT準絶滅危惧8種、LR低リスク7種

・そのうち14種には保全プログラムが開始されている。

・生息地の消失、違法取引、雛泥棒

……………………………………………………………………………………………………
キボウシインコ

キボウシインコは90年から99年の間に密猟された平均数は孵化した雛の49%。

2000年~2003年は特定の巣からはすべての雛が盗まれた。

2004年にLPFがProvitaの教育プログラムに支援を開始し、24時間フィールドを監視することが実現。

これにより窃盗は半分にまで減ったが、密猟の土台は消えておらず、支援がなければ復活するだろう。

生息数は1989年に700羽まで減り、2009年に1600羽に増えている。

……………………………………………………………………………………………………
保全プログラムの戦略

野生の親元で孵化したあと飼育下で育った雛が増加に転じて絶滅から救われた種もある。

・フクロオウム(カカポ)
・アカビタイボウシインコ
・モーリシャスホンセイインコ(シマホンセイインコ)

……………………………………………………………………………………………………
ニュージーランド

カカポはニュージーランド本土では絶滅しており、1977年にスチュアート島で発見されたが急速に減少。

オフショア島の捕食者がいない保全地区に移動され、ボランティアが巣を守る活動をしている。

……………………………………………………………………………………………………
野生絶滅のアオコンゴウインコ

アオコンゴウインコは2000年にEW(Extinct in the Wild)野生絶滅となった。

僅かに残っていた飼育個体を集めて繁殖に成功し、2018年6月3日時点で159羽にまで増加。

人工繁殖を着実に増やしつつ野生への再導入が進められています。

2020年に野生復帰プロジェクトが実行されます。

……………………………………………………………………………………………………
captive breeding of scaret macaw
メキシコアカコンゴウインコ(A. m. cyanopterus)とアカコンゴウインコの捕獲繁殖

メキシコアカコンゴウインコとコスタリカのアカコンゴウインコを飼育下で繁殖プロジェクト

……………………………………………………………………………………………………
Oyerto Rican Parrot, Amazona vittata アカビタイボウシインコ

アカビタイボウシインコは2000年に野生復帰プロジェクトを実行したが、2015年までに少数しか増えていない。
飼育下の個体は2016年で300羽。
野生個体は2箇所で100羽。

……………………………………………………………………………………………………
失敗:オーストラリア

オーストラリアではCR絶滅寸前のアカハラワカバインコを飼育下で繁殖させた個体を野生に戻す保全プロジェクトが失敗している。

タスマニア島で繁殖しオーストラリアで越冬する珍しい渡りをするインコで、生息地が悪い

リリースの技術が使われていない。捕食者がいる。など

1999年から2009年の10年間で飼育下で育てた410羽を野生にリリース。

これによって71羽が野生繁殖個体として巣立つが、年間の生存率は0.3%。

野生個体は0.65%なので半分以下。

飼育下での繁殖では数を増やすことが可能で、現在250羽。

野生の個体数はもはや20羽で、野生絶滅は秒読み。

渡りの技術を伝える野生の親鳥が絶滅するのはもう時間の問題。

……………………………………………………………………………………………………
After the hurricanes September 2017

32 feeding on the ground — no food in the trees.

2017年のハリケーンにより木が倒れ、食物は地面に。木の上にはなくなってしまった

……………………………………………………………………………………………………
Carnaby’s (Short-billed) cockatoo
キミミクロオウム(旧ニシオジロクロオウム)

脅威:
生息地の消失が続く。

干ばつや採掘、狩猟

巣穴の競争率が高い
アカオクロオウムに巣穴の獲得競争で負ける。

捕食者(カラス)にもやられる

汚染水による毒被害

……………………………………………………………………………………………………
キミミクロオウムのリハビリと野生復帰

Kaarakin Black Cockatoo Conservation Centre

キミミクロオウムの野生復帰プログラムとリハビリ。

保全活動には3人のフルタイムスタッフと200人のボランティア。

2007年から1700羽がレスキューされた

50%が若い鳥

40%がのちに2歳以上になってからリリース

施設には180羽がいるが、100羽はリリースが不可能な状態

リリースする鳥にはGPS発振器を装着。その費用は4000ドル。

マードック大学の保全プロジェクト。

リハビリ:リリース前にはフライトテストや人との距離を取る回復時間や54mの大型鳥舎

……………………………………………………………………………………………………
Conservation strategies : reintroduction
Red-fronted Kakariki (Cyanoramphus novaezelandiae)
アオハシインコの再導入 保全プログラム戦略

Was extinct on mainland.
Reintroduced 1970s to Tiritiri Matangi – island reserve off coast of Auckland.
Restoration – sheep and predators removed.
300,000 trees planted.
Native birds killed by introduced cats, stoats and rats.

アオハシインコはニュージーランド本土では絶滅しました。

オークランド沖のTiritiri Matangi島保護区に1970年代に再導入された。

回復 – 羊と捕食者は取り除かれました。

繁殖に必要となる木を30万本植えられました。

野生の鳥は、導入された猫、腰掛けおよびラットによって殺されました。

……………………………………………………………………………………………………
コンセイインコやフクロオウムほか多くの鳥にとって移入されたネズミが驚異となっている。

……………………………………………………………………………………………………
Kuhl’s Lory ムスメインコ

ムスメインコは2000年に750羽にまで減って絶滅の危機に陥る。
2005年にBirdLifeInternationalUKとLPFが7500ドルを支援。
2006年にサンディアゴ動物園も参加。
2007年に27羽をネズミの驚異から護るため、ポリネシアのオーストラル諸島リマタラ島からクック諸島のアチウ島、ミチアロ島へ移送した再導入を実行。
(アチウ島はムスメインコがかつて絶滅した島(のはず)
2008年にアチウ島での最初の巣立ちを確認。 こんな美しいインコを見たことがないと感じました。
害虫駆除のために移入したインドハッカにムスメインコが攻撃されている事が発覚。
2012年までに2万羽以上のインドハッカが駆除された。
(殺害の賞金は2ドル) https://www.abc.net.au/news/2014-05-25/hunting-down-the-common-myna-in-the-cook-islands/5475868
2015年にインドハッカを3万羽駆除。
2017年にアウチ島でのヤクシャインコは380羽を確認、おそらく600羽に増加している。

huge population growth of introduced mynahs.
mynahs observed attacking newly flefdged lories.
mynahs eradication completed in 2015 -30,000 killed.
2017 population on atiu increased to minimum of 380 but possibly up to 600

……………………………………………………………………………………………………
2017年 ヨウムとコイネズミヨウムがCITESⅠ類に

ヨウムとコイネズミヨウムが2017年にCITES1になった。

コイネズミヨウムは2012年は危急、2017年に絶滅危惧

2015年にヨウムとコイネズミは別の種と認定。

保護への最初のステップは野生捕獲個体はヨーロッパEUへの輸入禁止

ヨウムとコイネズミヨウムは1982年から2001年にかけて、657,000羽以上が合法的に国際貿易で取引された(UNEP-WCMC、2003)。
国内取引と輸出前の死亡率の推定から、およびその期間に野生から採取された数は100万羽以上。

……………………………………………………………………………………………………
The biggest enemies of parrots
Government officials who care only about economic development and personal gain – at the expense of the environment.
People who trap/kill parrots.
People who buy wild-caught parrots.
Human population growth driving loss of habitats and global warming
Consumerism – using the world’s resources to acquire unnecessary things!

オウムの最大の敵
 環境を犠牲にして、経済発展と個人的な利益のみを気にする政府高官。
 オウムを捕まえたり殺したりする人々。
 WC野生捕獲個体を買う人。
 生息地の喪失と地球温暖化を促進する人口増加
 消費者主義 – 不要なものを入手するために世界の資源を使う!

……………………………………………………………………………………………………
コイネズミヨウム

2012年はIUCNステイタスがVU、2017年にはEN

ヨウムとコイネズミは2012年に別の種と認定。最初のステップは彼らの保護。WC個体のEUへの輸入は2007年に禁止された

1990年から2000年に、コートデジボアールの森林31%消失

研究と教育がギニアビサウとシエラレオネで行われている(World Parrot Trustにより)

……………………………………………………………………………………………………
whatcan you do? 私達にできること

オウム保護へのファンドレイジング
オウムの出自を確かめる
環境への害が少ない選択をする
若い人達への消えゆく野生動物に関する教育

……………………………………………………………………………………………………
Please donate to LPF or buy LPF products.
So many projects need funding.

LPFに寄付をしたり、LPFの商品を購入してください。
非常に多くのプロジェクトに資金が必要です。