鳥類における特徴的な身体構造
鳥の身体構造は他の脊椎動物と比べて特殊な点が多くあります。
骨や筋肉、循環器や呼吸器に消化器など内臓も特殊です。
それらは鳥が飛ぶために適応したものであり、軽量化が重要な要素です。
骨は内部を空洞化することによって軽量構造を実現しています。
また、重い筋肉を減らすために骨を癒着させて融合化しており、特に腰部は独特です。
船の竜骨のような胸部の竜骨突起は飛ぶための大腿筋を支えるためのものです。
そのため飛ばないダチョウなどにはありませんが、水中を飛ぶペンギンにはあります。
嘴と頭蓋はシームレスであり、機能美に満ちています。
鳥の頭部の骨
嘴の機能や形は鳥の種類によって違いは大きくありますが、それらは餌や環境に適応したものです。
嘴の本体は骨で出来ており、その表面は神経や血管の層と薄い角質(ケラチン)で覆われています。
そのケラチン層という表面層は爪といった感じでが伸びたり、新陳代謝で剥がれます。
その上に血管や神経の層があり、さらにその上にケラチンの表層で包まれます。
採食のために嘴の先端をセンサーのように使う鳥では触覚があります。
通常は鼻腔と呼ばれる呼吸用の穴が2つありますが、蝋膜のあるインコでは肉質部に直結しています。
嘴の先端が削れたりしても伸びてきますが、根本深くから壊れると再生されません。
セメントやセラミック、近年では3Dプリンタでリアルな義嘴を作っているケースも多々見られます。
オニオオハシの構成骨格
骨だけになってもひと目でオオハシとわかる大きく特徴的なクチバシ。
この大きなクチバシは良く出来た構造で軽く出来ており、巧みに果実を摂取したり、繁殖相手へのアピールやライバルへへの武器、そしてクチバシ内の毛細血管を通して体温を下げるためのヒートシンクとしても機能しています。
鳥は汗をかかない動物なので、オオハシはその中でとても優秀な冷却機能を備えていることになり、機能美あふれるクチバシです。
とりあえず旧WEB2010/02/07の内容を移行、内容の手直しは追々。