インコの体臭
インコの嗅覚
ほか
加筆すること
もくじ
インコ臭|○インコの匂い、✕インコの臭い、◎インコの香り
鳥臭い
かつて2006年末にドワンゴのCMでセキセイインコのシロちゃんによる「鳥臭い」が日本中に一世風靡しました。
その後、鳥臭いは着インコだけに留まらず単語としても世間に定着しました。
着インコのシロちゃんとはブログでコラボさせて頂いたりも。
当時は気にもなりませんでしたが、鳥臭いの臭いは、果たして…
匂い、臭い
においの漢字は「匂い」と「臭い」の2種類があり、感じる意味で使い分けられます。
香水といった心地よく感じる場合は「匂い」
ヘドロといった不快に感じる場合は「臭い」
臭い(ニオイ)は臭い(クサイ)とも読みます。
鶏臭い
おそらくは鶏肉の臭みが元々の使われ方だったと想像していますが、愛鳥を嗅いで心地良く感じるのであれば「匂い」です。
むしろ芳しいでしょうから、うっとり感じるのであれば「鳥臭い」や「インコ臭」という表記は不適切でしょう。
ただ、「匂」には音読みが無く、訓読みの「ニオ(ウ)」としか読めないため、置換では正せないようです。
羽のふわふわが鼻に入って噎せ返るハシビロコウの香り
鳥の香りの語呂
「鼻で感じる良い匂い」を意味する「香り」を用いるのも良さそうですが、「鳥臭い」のようなキャッチーで良い語呂は思い浮かばず。
しばらく真剣に考えてみるも、やはり思い浮かばず…
コンゴウインコの甘い香り
コンゴウインコの全ての仲間がそうではありませんが、特にAra属のルリコンゴウインコとベニコンゴウインコはとても甘い香りを醸し出します。
狭い部屋で羽ばたけば部屋中が甘く包み込まれます。
すべてのコンゴウインコを嗅いだわけでもありませんし個体差も大いにあるとは思いますが、Ara属であってもアカコンゴウインコは甘くありません。
Diopsittaca属のコミドリコンゴウインコも特別なコンゴウインコ臭を感じません。
インコの嗅覚
鳥類は一部の種を除いて全般的に嗅覚が弱いと考えられています。
その根拠は、脳内の嗅球が小さいからという解剖学知見からの見解です。
害鳥扱いで賢い鳥の代表格カラスでは、対策のために様々な実験も行われていますが、ニオイは対策に使えないとなっています。
University of California, Riverside(カリフォルニア大学リバーサイド校)によるのハチドリの研究発表では、ハチドリには昆虫の臭いを嗅ぎ分ける能力があるとしています。
■Hummingbirds can smell their way out of danger | News
https://news.ucr.edu/articles/2021/09/06/hummingbirds-can-smell-their-way-out-danger
長年論争になっている大海原を数百キロに渡って帰巣するミズナギドリ。
南極圏の水鳥であるアオミズナギドリで行われた実験では、二股に分かれた通路で一方にだけ自分のパートナーのニオイをつけた物を置いて行動を観察するというもの。
高確率でニオイを嗅ぎ分ける結果となり、繊細な匂いを嗅ぎ分ける能力をもつことがわかりました。
自身がマッシュルームやアンモニアのような臭い鳥とされるニュージーランドのキーウィ。
地中のミルワームを捕食する際に、視覚、聴覚、嗅覚、触覚、のいずれを活用しているのかの実験が行われました。
実験内容の詳細は論文でご覧いただくとして、結果的に嗅覚と触覚を活用していることが確認されました。
ニュージーランドの大学(Canterbury University)のProfessor Jim Briskieによる研究では、天敵のいない環境で進化したニュージーランド固有の鳥類は、羽繕いで尾脂腺からの分泌物がとても強いとしています。
この臭いのために外来天敵であるネズミなどに簡単に狙われてしまうというもの。
カカポはカビたバイオリンケースのような臭いだそうな。
コンドルの嗅覚
正しいオウムの嗅ぎ方 #ルリメタイハクオウム
ダブルテイスティングとは、左右の2つの鼻の穴でそれぞれ1羽ずつを嗜む上級テイスティング。
鼻息は温かくて気持良いからでしょうが、何年も毎日嗅がれ続けているとウロコたちは自ら鼻にもたれにやって来ます。
なお、インコの香りは種類が同じなら皆同じというわけではないのですが、発情期のメスの生乾きの香りや
生まれて水浴びしたことのないコの初水浴び後、孵化したあとの卵の殻の香りなど、香りというか猛烈に臭いです(・Θ・)
ジャコウの香り、ジャコウインコ
ジャコウインコ、英名でムスクロリキート(Musk lorikeet)。学名でグロッソプシッタ コンシンナ(Glossopsitta concinna)。
ときめくインコ図鑑には掲載出来ていないのですが、香りがそのまま和名にも英名にもなるほどインコ臭の代表種です。
そのまま読んだ通りジャコウ(麝香/ムスク)のことで、元々はジャコウジカから採取する香料や生薬の一種として有史以前から珍重されてきたという歴史ある香りをもつとされるインコ。
ジャコウ(ムスク)の名を冠するものは他にも、ジャコウネコ、ジャコウネズミ、ジャコウアゲハ、ムスクシードなどがあります。
はたして麝香と呼ばれる香りがいかほどのものか?!
香りを嗅ぐ機会があれば是非ご堪能ください。
ムスくんはクンクンされるのも好きなご様子(・Θ・)
なお、ジャコウインコはオスのほうが額の青色が濃いとされています。
オウム目インコ科ヒインコ亜科ジャコウインコ属ジャコウインコ(Musk lorikeet / Glossopsitta concinna)。