CITES 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約

サイテスの生い立ち

1972年(昭和47年)の国連人間環境会議(ストックホルム会議)において下記の条文が勧告され、主にIUCN(国際自然保護連合)と米国によって条約の立案へと向かいました。

特定の種の野生動植物の輸出,輸入及び輸送に関する条約案を作成し、採択するために、適当な政府又は政府組織の主催による会議を出来るだけ速やかに召集する
 

1973年3月3日米国ワシントンD.C.で下記の国際法採択1975年7月1日発効されました。

最初の締約国は81国で、現在では180カ国以上が締約しています。

3月3日はその後World Wildlife Day(世界野生生物の日)と呼ばれる国際記念日に制定されました。

Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora

日本名:絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約

採択された場所に因んで通称ワシントン条約と呼ばれるほか

Convention on 条約
International 国際
Trade in 取引
Endangered 絶滅
Species of Wild Fauna and Flora 野生の動物や動植物

の頭文字からCITES(サイテス)と呼ばれます。

以降2~3年ごとに締約国による会議が行われています。

これをCOPと呼びますが、COPとはConference of the Partiesの略で締約国会議全般を指すものです。

このCOPで開催150日前までに提出された提案への投票が行われ、2/3以上の賛成によって採択されます。

採択された附属書改正内容の発効は会議閉会から90日後です。

COPの履歴

第01回 1976年 スイス/ベルン
第02回 1979年 コスタリカ/サンホセ
第03回 1981年 インド/ニューデリー
第04回 1983年 ボツワナ/ガボローネ
第05回 1985年 アルゼンチン/ブエノスアイレス
第06回 1987年 カナダ/オタワ
第07回 1989年 スイス/ローザンヌ
第08回 1992年 日本/京都
第09回 1994年 アメリカ/フォートローダーデール
第10回 1997年 ジンバブエ/ハラレ
第11回 2000年 ケニア/ギギリ
第12回 2002年 チリ/サンチアゴ
第13回 2004年 タイ/バンコク
第14回 2007年 オランダ/ハーグ
第15回 2010年 カタール/ドーハ
第16回 2013年 タイ/バンコク
第17回 2016年 南アフリカ/ヨハネスブルグ
第18回 2019年 スリランカ→スイス/ジュネーブ
第19回 2022年 コスタリカ

外務省

日本の加盟サイテス締結

日本は1980年11月4日に締結国となりました。

1987年には国内法「ワシントン条約の譲渡の規制に関する法律」を施行。


1992年3月にはCOP8が京都で開催されました。我が家から遠からずの場所でした。

このCOP8に合わせて、1991年に「環境庁RDB」、1992年「種の保存法」が制定されました。

日本の管轄省

日本では外為法(外国為替及び外国貿易法)に基づいた輸出入の際の水際規制が行われています。

管理当局
・経済産業省:一般的な輸出入
・農林水産省:海からの輸入

科学当局
・環境省:植物と水棲動物
・農林水産省:陸上動物

輸出入に関する手続きなどは経済通産省

IUCN国際自然保護連合とは

IUCNとはInternational Union for Conservation of Nature and Natural Resources)の略語で

スイス・グラン(ジュネーブ郊外)を本部にして1948年に設立された社団法人で、自然及び天然資源の保全に関わる国家政府機関国内及び国際的非政府機関連合体です。

特にワシントン条約ラムサール条約特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)と深い関係にあります。

RED Listの作成もIUCNで、鳥類に関してはBLI(Bird Life International)が取り仕切っています。
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