ボタンインコ Lilian’s Lovebird について

ザ・ラブバードの和名をもつナーシャのボタンインコ(・Θ・)

学名:Agapornis lilianae
英名:Lilian’s Lovebird , Nyasa lovebird
和名:ボタンインコ , アカボタンインコ , リリアンボタンインコ , ナーシャボタンインコ
Size-Weight : 13 cm
Native:マラウイ共和国(リウォンデ国立公園)とそれに近いモザンピークやタンザニアの狭い地域

ラブバードの愛称でも世界中で親しまれているボタンインコ属のインコたち。

ボタンインコ属には基亜種9+亜種5の仲間がおり、その中でボタンインコの名を冠するものは

「ボタンインコ」「クロボタンインコ」「キエリボタンインコ」「ルリゴシボタンインコ」の4種。

和名で言えば「ボタンインコ」はボタンインコ属の代表格「ザ・ラブバード」といって良い名前です。

とはいえ知名度は低く、殆ど流通もしていません。

日本人はすぐ雑種にする、可愛いさしか見ない。と欧州から比喩される事もあるそうですが、実際に日本では

ハイブリッド(混血雑種)が溢れていて、ヤマブキボタンやブルーボタンなどの作出品種を種とした解説も珍しくないぐらい。

さらに品種も雑種化しており、それはもはや品種なのかどうか。

純血として輸入しても怪しいものはいると耳にしますし、拘りすぎるのもどうかとは思いますが、未だに密漁が絶えないのは血統が潤沢ではないのかもしれませんね。

ボタンインコ全種何れかやボタンインコのハイブリッドとコザクラインコのハイブリッドは和名でヤエザクラボタンインコ(八重桜牡丹)または、ヤエザクラインコと呼ばれる生殖能力をもたない一代雑種(first filial generation / F1品種)が産まれます。

このボタンインコという和名は属名や総称と混同されて紛らわしいため「アカボタンインコ」とされる事も多々あります。

ほか、英名や学名から「リリアンボタンインコ」「ナーシャボタンインコ」とも呼ばれます。

リリアンの由来はイギリスの鳥類学者「Philip Lutley Sclater」の娘の名前「Lilian Elizabeth Lutley Sclater」から。

ナーシャの由来は生息地周辺のマラウイ湖Lake Malawi)のモザンピークやタンザニア側での呼び名「Lake Nyasa」からと思われます。

英名で呼ぶならNyasa lovebirdを選びたいところですが、標準英名はLilian’s Lovebirdです。

ボタンインコ,アカボタンインコ,リリアンボタンインコ,ナーシャボタンインコと呼び名の多い無印ボタンインコですが、ここでは以下「アカボタンインコ」と記します。

ボタンインコ属の代表的な和名をもつアカボタンインコは、意外にもボタンインコ属の始祖からは最も遠い遺伝子をもつ存在。

ボタンインコ属の進化の分岐は6層で、アカボタンインコとクロボタンインコ(A. nigrigenis)は最下層とされています。

従ってアカボタンインコはボタンインコの原種ではありません。

一応の原種となる1層目はワカクサインコ(A. swindernianus)なのですが、他のラブバード全種とは系統分類が違うため将来的に単型で別属として移りそうな気がします。

実質的にマダガスカルのカルカヤインコ(A. canus)がラブバードの原種に一番近い存在となります。

このアカボタンインコは一見するとルリゴシボタンインコ(A. fischeri)と間違えられる事も珍しくない配色です。

主観ですがルリゴシボタンインコの方が奥襟に鮮やかな黄色が広がります。

この黄色い襟というのがまた和名のキエリボタンインコ(A. personatus)と被ってややこしくなります。

キエリボタンインコの標準和名はキエリクロボタンインコの方がしっくりくると思うのですが、落選した経緯はきっとあるのでしょう…

人気がいまひとつ出ていないのは入手が難しいという事よりも、同系色のキエリボタンインコの方が鮮やかで綺麗からだというのが本質だと思いますし、この写真でもイマイチ色が出ていませんが、ボタンインコを語るに外せないボタンインコです。

ミカンイロボウシインコ Marajo Yellow-crowned Amazon について

みかん色の帽子、ミカンイロボウシインコ(・Θ・)

学名:Amazona ochrocephala xantholaema
英名:Marajó Yellow-crowned amazon , Marajo Yellow-crowned amazon
和名:ミカンイロボウシインコ(キビタイボウシインコ亜種xantholaema)
Size-Weight : 33-38cm 340–535g
Native:マラジョ島

ミカンイロボウシインコはキビタイボウシインコの亜種の1つ A.o.xantholaema で、主な外見差は頭部の黄色具合。

ブラジル北部のアマゾン川河口部デルタ地帯にある低平な島「マラジョ島」に生息します。

このマラジョ島とは、要はアマゾン川の下降に出来た中洲みたいなものですが、流石アマゾンのスケールは圧倒的。

この島の面積40,100km2というのは九州の36,782.37km2よりも大きく、淡水に囲まれた島では世界最大です。

河口にある巨大な島のまわりが淡水というのも膨大なアマゾン川の水量のため。

島は低地で雨が多く、熱帯雨林と湿地が広がっているため雨季には水没する地域も多いそうです。

ダイナミックな自然のマラジョ島は、自然豊かなネイチャーランドとしてパンタナールやボニートほどでは無いにしても人気です。

 

キビタイボウシインコは10年ほど前にそれまでキビタイボウシインコの亜種とされていたオオキボウシインコなどが分離して現在は4亜種に整理されています。

残った亜種でメジャーなものはパナマボウシインコですが、このミカンイロボウシインコも個体差によっては象牙色のクチバシをもちます。

さらに頭部が広く黄色で覆われているものもいて、もしかするとオオキボウシインコとして流通した個体もいるかもしれません。

ミカンイロボウシインコも将来的に統廃合される可能性も十分あるでしょうが、ボウシインコ属の分類は多様性が豊富でとても面白いですね~

 

セイキインコ Mulga Parrot について

清く輝く、セイキインコ(・Θ・)

学名:Psephotellus varius
英名:Mulga Parrot / many-coloured parrot
和名:セイキインコ
Size-Weight : 27–28 cm; 53–70 g
Native:オーストラリア中央部より南側の広範囲

英名のmulga(マルガ)とは砂漠に生えるアカシア属の灌木(カンボク:生長しても樹高が約3m以下の木)のこと。

オスは日差しが当たると多色さが際立ち、英名の俗称では「many-coloured parrot」とも呼ばれます。

和名では、清らかに輝くインコ、清輝鸚哥(セイキインコ)。

別名で「ニシキビセイインコ(錦美声)」とも呼ばれるのですが、数年前まではビセイインコ属とされていました。

下記の3種とでPsephotellus属として独立昇格したのですが、その3種は特に美しさで名を馳せる大粒揃い。

■ヒスイインコ Psephotellus dissimilis Hooded Parrot
■キビタイヒスイインコ Psephotellus chrysopterygius Golden-shouldered Parrot
■ゴクラクインコ Psephotellus pulcherrimus Paradise Parrot

この3種はともに豪州産のCITES I類。

そしてゴクラクインコは1927年を最後に確認されておらず、既に絶滅したと考えられています。

同時期に絶滅したと考えられていたNightParrotヒメフクロウインコ(Pezoporus occidentalis)が近年再発見されたことに一縷の望みを抱きつつ…

セイキインコだけはアリ塚に巣を作るタイプでは無かった事が今に繋がっているのでしょう。

そして最新の遺伝子研究で系譜を辿ると、中新世にユーカリインコ(Purpureicephalus spurius)へ繋がるそうです。

ユーカリインコも世界一美しいインコの1つに名を馳せる一角なので、この系譜は美意識が非常に高いインコですね。

我が家にいるユーカリインコは美しさよりも面白さと可愛さに目がいきますが(・Θ・)