ネズミガシラハネナガインコ図鑑 Senegal parrot,Poicephalus senegalus

頭部の鼠色と腹部のベストのような黄色いV模様も特徴的なアフリカンパロット、ネズミガシラハネナガインコ(Poicephalus senegalus|ポイセファルス セネガルス)

Psittacoidea Psittaculidae Poicephalus Senegalus

分類:オウム目 インコ科 ハネナガインコ属 ネズミガシラハネナガインコ

学名:Poicephalus Senegalus

英名:Senegal Parrot

和名:ネズミガシラハネナガインコ

Size:23cm 120-170g

原産:西アフリカ|サハラ砂漠の南側のサヘル地帯とさらに南側の森林帯
/セネガル~カメルーンと中央アフリカ共和国の国境あたりにかけてのサバンナ森林帯や熱帯雨林帯
RED-List LC ,WPT
亜種:2(旧3)
ネズミガシラハネナガインコ|基亜種(黄)
Poicephalus senegalus senegalus
Senegal Parrot, Yellow-vented Parrot

アカハラネズミガシラハネナガインコ|亜種(赤)
Poicephalus senegalus versteri
Red-vented Senegal Parrot
北西コートジボワール~南西ナイジェリアの熱帯雨林帯

カノネズミガシラハネナガインコ|亜種(橙)
Poicephalus senegalus mesotypus
Reichenow’s Orange-bellied Parrot
Orange-bellied Senegal Parrot
※1997 P.s.mesotypusP.s.senegalusへ統廃合

アフリカンパロットとは、ヨウム属2基亜種,クロインコ属3基亜種,ボタンインコ属9基亜種,ハネナガインコ属10基亜種の合わせて4属24基亜種とその亜種からなるインコたちの総称です。

ノリノリに陽気な南米パロットとは違って、物静かで哲学的なアフリカンパロットと比喩されることもあります。

そのアフリカンパロットの中で最もインパクトの強い和名が採用されていると思うのが「ネズミガシラハネナガインコ」。

頭が鼠色のハネナガインコ属の仲間という意味で、漢字表記は「鼠頭羽長鸚哥」。

候補に「ネズミイロガシラハネナガインコ」や「ハイガシラハネナガインコ」は無かったのかと思わないでもありません。

最近では英名の「セネガルパロット」と明記している販売店も見かけます。

ネズミガシラハネナガインコのイエロータイプ&オレンジタイプ(カノネズミガシラハネナガ)

ネズミガシラハネナガインコには腹の色の違いで3種類のカラータイプが存在します。

黄色タイプ,橙色タイプ,赤色タイプの3カラーです。

この違いは性別ではありませんし、作出された色変わり品種でもありません。

それぞれ生息地域が異なる亜種です。

色変わり品種としてはパイド,シナモン,イエローがおり、現在はもっと増えているかもしれません。

パイドのネズミガシラハネナガインコ

原産は西アフリカ熱帯雨林地域、およびその北側に広がるサハラ砂漠との移行帯であるサヘル地帯(Sahel)と呼ばれる半乾燥地域(サバンナ森林帯)に生息し、乾季と雨季で移動もあります。

最適な環境とされるのはアフリカバオバブ Adansonias digitataやニシアフリカフサマメParkia filicoideaが生い茂る比較的広大なサバンナの森林だそうで、乾季と雨季で移動もするそうです。

ガーナでは湿地帯にも生息しているため、環境適応能力は高いのかもしれません。

セネガルパロットの名の通りセネガル共和国にも生息するのですが、セネガルを西端としてカメルーン中央アフリカ共和国の国境あたりまでを東端とした東西に長い生息域をもちます。

この生息域である西アフリカのセネガル,ガンビア,ギニア,ブルキナファソ,トーゴ,ニジェール,中央アフリカ共和国など殆どの国はGDPの世界ワースト30の最貧困国です。

貧困国では密猟だけではなく森林伐採が絶え間なくあるため、生息地域の喪失は広がっているようですが、それであってもRED-Listは低危険種(LC:Least Concern)の逞しい種です。

ネズミガシラハネナガインコ

上記地図の西側にある水色●印付近に生息するのがオレンジの腹色の亜種Poicephalus senegalus mesotypusカノネズミガシラハネナガインコ

「カノ」はナイジェリアのカノ州(Kano State) 付近に生息するという地名由来。

大西洋側にある赤丸●付近に生息するのが赤い腹色の亜種Poicephalus senegalus versteriアカハラネズミガシラハネナガインコ

「versteri」はドイツ人のFlorentius Abraham Verster van Wulverhorst博士が由来。

アカハラネズミガシラハネナガインコにはまだ出会えておらず、自分撮影の写真がありません。

旧亜種カノネズミガシラハネナガインコ

このオレンジ腹のカノネズミガシラハネナガインコを上記で亜種と記しましたが正式には違います。

以前は亜種扱いだったのですが基亜種へ統廃合されたため、正式な分類上からは抹消されています。

とはいえ、基亜種の黄色い腹色とひと目で違うカラーリングのオレンジ腹ですので、専門店やマニアの間では現在もカノネズミガシラとしてわけられています。

ネズミガシラハネナガインコ

ネズミガシラハネナガインコはペットバードやコンパニオンバードとして広い層に飼いやすいという印象はあります。

もちろん主観ですし個体差もありますが、騒々しく騒がず、物静かで社会性があり、お喋りも出来て、ふれあい好きで柔らかい触り心地も良く、香りも芳しいです。

成鳥になると点目が強くなり、万人から愛おしく思われるような顔つきではないかもしれませんが、点目は点目でとても可愛いものです。

どうしても点目を嫌う方にはチャガシラハネナガインコの方が良いかもしれませんが、チャガシラハネナガインコの流通は滅多にありません。

ネズミガシラハネナガ写真プレゼント

気質は陰か陽で言えば陰の気質で臆病系ですが、人工繁殖個体であれば穏やかで接しやすい印象です。

とはいえ、ネズミガシラハネナガインコも他と同じように発情適齢期には突然に凶暴化するものもいますし、1羽飼いだとオンリー1化しやすいかもしれません。

本気で叫べばそれなりに耳障りな鳴き声で響きますし、噛まれればそこそこのダメージはあります。

神戸どうぶつ王国インコ

ネズミガシラハネナガインコは20年程前なら安価なメジャー種でしたが、最近では見る機会もすっかり激減して価格も高騰しています。

当時は4~5万円程度でしたが、CITES-DBによると1994年~2003年までの約10年間に、ネズミガシラハネナガインコの野生個体の正規の輸出数は

セネガルから173,794羽
ギニアから約164,817羽
マリから約60,742羽

その他も合わせて41万羽以上がアフリカから世界へ輸出されていたワイルド特需時代でした。

1992年に規制が掛かる前の方が多かったという記載もあり、輸出される前に落ちた数もいれると膨大な数が捕獲された事でしょう。

しかし乱獲されたわりに野生下での減少懸念はLCで低く、もちろん地域にもよりますが種の保存に問題はない生息数とされています。

セネガルパロット

ネズミガシラハネナガインコには40年の飼育記録があり、ほかの多くの中型インコ同様に長生き出来る可能性があります。

もしかすると陽気に動き回るタイプより長寿インコのポテンシャルは高いのかもしれません。

ズグロシロハラネズミガシラハネナガ
ズグロシロハラインコぐぴ~フレンズ、ネズミガシラハネナガインコ

いわゆる中型インコの中では小さい部類の中小型インコで、個人的にオススメするインコの1つです(・Θ・)

 

オナガミドリインコ図鑑 Plain Parakeet,Brotogeris tirica

オキナインコと遠からずな存在のオナガミドリインコ

Psittacoidea Psittaculidae Brotogeris tirica
分類:オウム目 インコ科 ミドリインコ属
和名:オナガミドリインコ
英名:Plain Parakeet
学名:Brotogeris tirica
Size:23cm 64g
原産:南米:ブラジル|東南部沿岸側サルバドル~クリチバおよび飛び地
RED-List

ミドリインコ属(Brotogeris|ブロトゲリス)は系統分類的にオキナインコの近縁にあたます。

和名の通り他のミドリインコよりも長い尾羽が特徴的で、亜種はありません。

全体的に映える緑色の中に、青みや黄色みなども帯びた鮮やかなインコです。

サイズ感はオキナインコほどの大きさはなく、尾を短くしたイワウロコインコ程度。

オナガミドリインコも叫ぶときには他のミドリインコ同様に甲高い鳴き声でけたたましく鳴きます。

野生下ではジョオウヤシ(Syagrus romanzoffiana)の果実を主食に、種子、イチジク、フルーツ、花、グリッド、昆虫、藻類などを食べているようです。

学名「Brotogeris tirica」の語源は、ブロトゲリスはギリシャ語の「brotogërus」で「人の声」、チリカはトゥピ語の「tirica, tiriba = tilintar」で鈴や炎や煌めきという意味があるようですが、鈴のように鳴く鳥という由来でしょうか。

中国語名では「纯色鹦哥」で、純色とは各色相で最も彩度の高い色の意味。

英名は「Plain Parakeet」で、直訳すると「平野のインコ」。

日本で見たことはありませんが、ブラジルでは一般種です。

オナガミドリインコの原産はブラジル南東部、サンゴ礁に囲まれた熱帯の海岸線が続く大西洋沿岸付近の低地の常緑樹林地を中心に生息しています。

ミドリインコブーム(ペリコブーム)の時代には乱獲や生息地の開発でそれなりに数を減らしたようですが、今では懸念も無くなっています。

森林を破壊された都市部にも順応しており、大きな都市であるクリチバやサンパウロ市街地にも生息している一般種です。

先日ブラジルの街中で煩いからと住民に大量駆除されたミドリインコがニュースになっていましたが、オナガミドリインコも含まれているかもしれませんね。

アオボウシインコ図鑑 Turquoise-fronted Amazon,Amazona aestiva

南米アマゾンの代表種、アオボウシインコ&キソデアオボウシインコ

Psittacoidea Psittaculidae Amazona aestiva
属名:Amazona ボウシインコ属
学名:Amazona aestiva
英名:Turquoise-fronted Amazon , Turquoise-fronted Parrot
別称:Blue-fronted amazon , Blue-fronted Parrot
和名:アオボウシインコ
Size:35-40cm 350-450-600g(アオボウシ≦キソデアオボウシ)
CITES Appendices II
RED-List
原産:南米|ブラジル,ボリビア,パラグアイ,アルゼンチン北部 
亜種 Subspecies
Amazona aestiva
A. a. aestiva
和名:アオボウシインコ(基亜種)
原産:ブラジル東部

A. a. xanthopteryx
和名:キソデアオボウシインコ
俗称:アサギボウシインコ(浅葱)
英名:-
通称:Yellow wing Amazon
原産:ブラジル,ボリビア,パラグアイ,アルゼンチン北部

南米アマゾンを代表するインコともいえるAmazon Parrotことボウシインコ属。

そのボウシインコ属の中でも代表格と言える「アオボウシインコ」と「キソデアオボウシインコ」。

額の色が青いことからアオボウシインコと名付けられました。

標準英名はTurquoise-fronted Amazonですが、日本ではBlue-fronted Amazonと表記されている方が多いかもしれません。

お喋り能力が高く、キエリボウシインコやオオキボウシインコに次ぐレベルで、キビタイボウシインコやパナマボウシインコと同クラスとも言われます。

陽気でよく喋って人馴れしやすく、世界中で大人気の中大型インコです。

ペットバードとしての優秀さの代償として1981年から40万羽以上が野生から捕獲輸出されてきました。

ただ、保護活動もあるとはいえIUCNのRED-Listでは絶滅低危険種LCから変動したことのない普通種です。

現在も世界でもっとも流通している人気のボウシインコです。

基亜種アオボウシインコのペア

アオボウシインコには基亜種のアオボウシインコと亜種のキソデアオボウシインコの2亜種がいます。

基亜種の「アオボウシインコ Amazona aestiva aestiva」は東部ブラジルに生息し、俗称でブラジリアンとも呼ばれるます。

体格は小柄で、翼の肩袖は赤色のみ、腹は緑色、嘴は黒色です。

この基亜種のアオボウシインコがかつての定番でしたが、今の日本で流通する事は殆どありません。

いま一般的にアオボウシインコとして流通している大半は大型亜種の「キソデアオボウシインコ Amazona aestiva xanthopteryx」です。

※キソデボウシインコAmazona amazonicaとはまったくの別種です。

アオボウシインコの亜種「キソデアオボウシインコ」

亜種キソデアオボウシインコの体格は基亜種より一回りから二回り大柄です。

肩袖に黄色い羽があり、個体によっては腹も黄色で覆われるなど全体的に黄色が強くでます。嘴はこちらも黒色。

不思議なことにキソデアオボウシインコには標準英名が無いのですが、通称でYellow-wing amazonとも呼ばれます。

生息地は基亜種と重複しつつ、ブラジル西部,ボリビア,パラグアイ,アルゼンチンなどブラジル以外にも広く分布しています。

アオボウシインコとキソデアオボウシインコの原産生息域

↑で2種の違いは顔の色だと思われるかもしれませんが、アオボウシインコと似た顔をしたキソデアオボウシインコは珍しくなく、顔での判断は難しいです。

特にキビタイボウシインコやアオボウシインコは亜種と基亜種の区別はもちろんのこと、種名の判断すら悩ましいものも多く、それなりに見慣れるまで混乱する事は多いでしょう。私もそうですがー

アオボウシインコの翼内側

さらに、アオボウシインコとキソデアオボウシインコの色の出方はランダム要素がとても高く、目が肥えていないと別種に感じるような個体差も多く存在します。

アオボウシインコとキソデアオボウシインコは飼育下の繁殖ではもちろんのこと、野生下においても生息域は被っている地帯での交雑は珍しくありません。

そのあたりは厳密には外見での正確な判断は出来ないのかもしれません。

アオボウシの目

さらに、その広大な生息域の中には地域差による色の違いもあります。

パラグアイには体格が小さくて頭の黄色が少ない「パラグアイブルー」と呼ばれるもの。

アルゼンチン北部チャコ州には、頭が黄色で覆われて大型の「チャコブルー」と呼ばれるもの。

他にも、アルゼンチン北西部には肩袖は緑色のみで頭部には黄色がまったく無いものや、頭部に青色が全く無かったり、頭が黄色で覆われてオオキボウシインコのようだったり、アオボウシインコには様々な色タイプがいます。

キソデアオボウシインコ

色変わりではBIIのシナモンやブルーのほか、2004年にはレッド(chocolate raspberry)という突然変異が出ています。

小型インコと違って色変わりを容易に作れるものではありませんが、世の中には人工的な品種改良(色変わり品種)を好む層は多く、アオボウシインコにもいずれ固定化された色変わりは出てくるのでしょう。

アオボウシインコは「アサギボウシインコ」という名で展示や販売されていることもあります。

小鳥商がキソデアオボウシインコに名付けた俗称で、新選組の浅葱色(アサギ色)が由来です。

ブラジルから輸出規制されたアオボウシインコに替わって輸入されるようになったキソデアオボウシインコとの区別としてでしょうが、高位のブランドイメージを付加したかったのかもしれませんね。

ブラックライトでインコ

写真を撮る者であれば誰でも思っているような事でしょうが、アオボウシインコはプリントや印刷媒体で色を出すのに難しい被写体です。

アオボウシインコに限らず、特に額が黄色や白色のインコは皆そうなのですが、すぐに白飛びしてしまいます。

ブラックライトをあてると額や袖の反射率はとても高く、四原色の色覚で紫外線の見えるインコたちの目にはこれによって性別を見極めているとも言われます。

羽色が構造色であればここまで差が出るのも疑問ですが、このあたりの研究をされている方もおられるようです。

まだ若い色のキソデアオボウシインコ

延々と長くなるので一旦このへんで…

ヤシオウム図鑑 Palm Cockatoo,Probosciger aterrimus

ヤシオウムパラダイス
ジュロンバードパークのヤシオウムパラダイス

私の一番好きなオウム、ヤシオウム。ヤッシー!

Psittacoidea Psittaculidae Probosciger aterrimus
分類:オウム目 オウム科 ヤシオウム属
和名:ヤシオウム(椰子鸚鵡)
英名:Palm Cockatoo
俗称:Goliath cockatoo , Great black cockatoo
学名:Probosciger aterrimus
Size:49-68cm 500-1200g
性的二型:♂>♀ 体格差が顕著に違う
原産:ニューギニア島,アルー諸島,ミソール島,オーストラリア(ケープヨーク半島)など
RED-List
CITES Appendix I , 22/10/1987
亜種:4
Probosciger aterrimus
P. a. aterrimus ミソール島,アルー,西パプアなど
P. a. macgillivrayi 南ニューギニア,ケープヨーク半島
P. a. goliath 西パプア,ミソール島,西&中央ニューギニア 
P. a. stenolophus ヤーペン島,北ニューギニア
統廃合
P. a. alecto 
P. a. intermedius
P. a. atenolophus

全身を黒い羽で覆われ、巨大な嘴に顔面の露出した赤い皮膚とクールな冠羽が派手で素敵なスペシャルオウム、ヤシオウム。

モヒカンのような冠羽は他のオウム同様にヘルメット風に収まる可動式です。

顔面の裸出した赤い皮膚は頬の黒い羽ですべてを覆い隠す事もできます。

感情や反射で冠羽の可動や裸皮の濃淡も変化もします。

同じ個体の変身ヤシオウム

口の中も顔面と同じく赤色で、舌の先端部分だけが黒くなっています。

よくよく見るとアイリングの下側も赤色が被っています。

見た目以外でヤシオウムを有名にしているのは、木の枝を打楽器のスティックとして木を叩くドラミングで、ディスプレイや警報といったコミュニケーションから巣となる木の非破壊検査などを行っています。

木の枝を叩いて鳴らす事自体はヤシオウムに限った行動ではありませんが、特にケープヨークのヤシオウムはその技能に長けており、スティックの改良もしながら音質とメロディーへの追求に拘りをみせます。

原産はニューギニア島の全域とその周辺諸島、およびオーストラリアのケープヨーク半島の熱帯雨林や森林地帯で、黒いオウムではオーストラリア以外に生息する唯一のオウムです。

パプアニューギニアでは狩猟対象にもなっていたり密漁もあるようですが、保全活動の成果もあってそれなりに安定は出来ており、IUCN Red List2016はLCです。

パプアニューギニアとケープヨーク半島の間には小さな島が幾つもありますが、直線距離で約150km。

ヤシオウムは1属1種4亜種(旧6~7亜種)の単型(モノタイプ)で、オウム科の分岐系統で最上流となる古代種とも言われています。

シルエットが遠からずのオカメインコ属に近いとする説や、完全に誤りですがBlack Macaw(クロコンゴウインコ)と記載されていたこともあります。

ヤシオウムの亜種は2~30年ほど前には6~7亜種とされていましたが、現在は4亜種に統廃合されています。

ヤシオウム

和名のある亜種は4種、フトサカヤシオウム,シマフトサカヤシオウム,ホソサカヤシオウム,コヤシオウム。

しかし、シマフトサカヤシオウム,ホソサカヤシオウム,コヤシオウムに紐付けられていた学名の亜種は揃って統廃合されており、残ったのはゴライアスのフトサカヤシオウムのみ。

ただ、P. a. alectoP. a. atenolophusとされているシマフトサカヤシオウムとホソサカオウムのどちらかは、ゴライアス級サイズで冠羽が細かいという亜種P. a. stenolophus ではないのかなという疑問も。

当時としては正確性が低いものも結構あるのは当然のことで仕方は無いのですが、ヤシオウムの亜種和名と学名との対照はいささか怪しく感じてもいます。

PalmCockatoo
TamangBurun(バリ バードパーク)の手乗りヤシオウム

学名Probosciger aterrimusの語源はラテン語で、Proboscigerは「とても長い鼻(嘴)」 aterrimusは「黒い鳥」の意味になります。

標準英名はPalm Cockatooで、俗称としてグレートブラックコカトゥー、ゴライアスコカトゥーなどとも呼ばれ、欧米でも人気の種です。

見た目のクールさと違って、特にブリード個体は非常によく馴れます。

とても小柄でふれあい担当のめっちゃさわれるヤシオウムには頬が緩みっぱなし(・Θ・)

飼育環境下での繁殖難易度はとても高いとされています。

40歳の高齢でも繁殖可能といわれていますが、通常の産卵ペースは2年に1度の1個だけ。

まだヤシオウムの雛を自分で撮影する機会に恵まれてはいませんが、いつか遭遇したいものです。

興味深いことに、ヤシオウムの孵化したての雛は羽が生えておらずの丸裸です。

他の黒いオウムたちの雛は黄色い産毛に覆われているので、このあたりも古代種ならではかもしれません。

さわれるヤシオウム

つい先日の2019年1月8日に、繁殖にも成功しているセルビアの個人ブリーダーのプライベート動物園から6羽のヤシオウムが盗難にあったというニュースがありました。

単純に高価だからということもありますが、サイテス1で指定繁殖所から出されるヤシオウムがおらず、血分けの需要もありそうです。

日本の動物園には東山動植物園と埼玉県こども自然公園にそれぞれ一羽おります。

常設展示されているのは東山動植物園のみで、残念ながら姿もよく見えない緑網の展示です(2016現在)。

東山動植物園の密輸没収個体ヤシオウム展示

随分前に白浜アドベンチャーワールドの個体を見に行った事があるのですが、どこにも見当たらないため尋ねてみると数日前に落鳥したと、、、いまは剥製で展示されています。

日本では非常に珍しいヤシオウムですが、海外では数こそ少ないながらも流通もしています。

一般的な小売値が200~300万円ほどなので日本基準であれば際立って高価でもないと感じますが、同価格帯ならスミレコンゴウインコの方が人気のようです。

ヤシオウム

 

もう日本にヤシオウムが商用目的で入ることは無いのでしょうが、うちならヒヤシンスよりヤシオウム(・Θ・)

シモフリインコ図鑑 Dusky-headed Parakeet,Aratinga weddellii

シモフリインコ

小さなコンゴウインコのようなコニュア、シモフリインコ

Psittacoidea Psittaculidae Aratinga weddellii
分類:オウム目 インコ科 クサビオインコ属
和名:シモフリインコ
英名:Dusky-headed Parakeet
別称:Dusky conure , Weddell's conure
学名:Aratinga weddellii
Size:25-28cm 95-129g
原産:南米|エクアドル,コロンビア,ペルー,ボリビア北部,ブラジル西部
RED-List

顔の特徴から「Mini-Macaw(小さなコンゴウインコ)」とも称されるシモフリインコ。

コンゴウインコの仲間ではなくクサビオインコ属。

Dusky-headed Parakeet

クサビオインコ属はかつて南米の最大勢力属でしたが、大きく分裂したため6種+2亜種となりました。

クサビオインコ属の最小種で、温厚で静かな個体が多いように感じます。

大雑把な生息域は南米の左上のエクアドルとペルーとブラジルの国境あたりを中心としたエリアの一般種で、小隊から100羽近い大隊も作るそうです。

ウロコメキシコインコ属同様に軽快に飛びますが、天敵は猛禽類とサル、そしてジャガーとされています。

 

学名のAratinga weddelliiは著名な植物学者「Hugh Algernon Weddell (1819–1877)ヒュー・アルジャーノン・ウェッデル」が由来。

和名の霜降りも大概ですが、英名の「Dusky-headed Parakeet(汚れた頭のインコ)」も結構な残念名っぷり。

英名で「Dusky|ダスキー」を名付けられたインコはシモフリインコのほかにも、スミレインコ(Dusky parrot),コシジロインコ(Dusky lory),アオハシルリハインコ(Dusky-billed Parrotlet)がいます。

汚れ知らずなお顔の可愛い幼シモフリインコ(・Θ・)

Lutino Dusky-headed Parakeet

シモフリインコの色変わりはとても珍しくて高価で、遠目にならニョオウインコを思わせるようなルチノーがいます。

ほか、まだ見たことはありませんがブルーがいます。

シモフリインコ

シモフリインコはコガネメキシコとホオミドリウロコの中間的な存在に考えています。

シモフリインコは飼鳥に向いていて安価な一般種なのでオススメもしていますが、大衆層には受け入れられ難いようですね。

幼鳥メインの写真になっているので、また後日成鳥も増やしておきます(・Θ・)