アケボノインコ属 Pionusの由来と発音 ピオヌス or パイオナス について

ピオヌス パイオナス アケボノインコ属

アケボノインコ属 pionus

アケボノインコをはじめとした下記の9基亜種とその亜種から構成されます。

アケボノインコ
アケボノインコモドキ
シロガシラインコ
スミレインコ
ドウバネインコ
バラガシラインコ
メキシコシロガシラインコ
ヨゴレインコ
アオアケボノインコ ※アケボノインコの亜種から基亜種に昇格

アケボノインコ属Pionusの由来

このアケボノインコ属の国際的な学名は「 Pionus 」とされています。

Pionusの語源はギリシャ語で「太った」「肥えた」といった意味合いの「piōn (pionos)」が「Pionias」となり「Pionus」と変化したようです。

体型を比喩した由来で、「ぽってり」「ずんぐりむっくり」といったニュアンスでしょうか。

Pionusの発音 ピオヌス or パイオナス

このPionusの発音を巡っては「ピオヌス」or「パイオナス」で意見が二分される事が多いようです。

カタカナ表記にする事自体が正解ではないのでしょうが、あえて正解とするならば…

学名というのは英語ではなくラテン語です。

ラテン語はローマ字読みが一般的なので「ピオヌス」と発音するのが正解です。

但し、英名でも「 Pionus 」なのです。

その意味では「パイオナス」と発音するのが正解です。

そして、例えばアケボノインコの標準英名は以前「Blue-headed Pionus」でした。

※現在の標準英名はPionusをParrotに置き換えてBlue-headed Parrot

この英名を英語で発音するには「ブルーヘッデッド パイオナス」が正解でしょう。

アケボノインコ

国際学会で喋っているのを私の頼りない耳で聞き取った限りではヨーロッパ人や南米人は「ピオヌス」、アメリカ人は「パイオナス」と発音されていました。

どちらでも良いと思いますが、強いて言えば個人的には「ピオヌス」優先で、通じなければ「パイオナス」としています。

Lotus Feather

アケボノインコの学名 Pionus menstruus の由来

語源は「menstrual」で、月経の意味だそうです(・Θ・)
アケボノインコだけではなくアケボノインコ属の特徴でもあるのですが、尾羽の裏側(コヴァート)が鮮やかな赤色なのです。

アケボノモドキ

アケボノインコモドキの学名 Pionus maximiliani の由来

由来はドイツ人のMaximilian zu Wied-Neuwied/マクシミリアン・ツー・ヴィート氏に因んだ命名です。

ドウバネインコ

ドウバネインコの学名Pionus chalcopterus の由来

語源はギリシャ語の「khalkopteros」で、銅や金属的な翼を意味するようです。
10円玉の銅色ではなく、飛翔時の美しい羽色で納得できる青銅色ですね。
英名の「Bronze-winged Parrot」がまさにその意図を汲んだ命名なのでしょう。

スミレインコの学名 Pionus fuscus の由来

ラテン語の「Fuscus」は「Brown(褐色)」を意味します。
和名やドイツ名など多くは紫色に因んだ綺麗な響きの命名をされていますが、標準英名はDuskyParrot(ゴミのインコ)と酷い命名に…

メキシコシロガシラインコの学名 Pionus senilis の由来

ラテン語の「senilis」は「白髪の老人」を意味します。

 

バラガシラインコの学名 Pionus tumultuosus の由来

ラテン語の「tumere」「tumultus」の品詞?が「tumultuosus」となったようです。
「騒がしい」を意味します。

バラガシラインコの絶叫を耳にしたことはありませんが、本気鳴きを耳にしたことのあるアケボノインコ属のみなさんは個人的にはかなり不快な耳障りさです(・Θ・)

ヨゴレインコの学名 Pionus sordidus の由来

ラテン語の「sordidum」で、「汚れ」を意味します。
スミレインコの英名よりはマシかもしれませんが、大概ですね(・Θ・)

ムラサキボウシインコ Southern Festive Amazon について

おめでたいお祝いのアマゾン、本家ムラサキボウシインコ

Psittaciformes Psittacidae Amazona festiva
属名:Amazona ボウシインコ属
和名:ムラサキボウシインコ
英名:Southern Festive amazon , Festive Amazon , Red-backed Amazon
学名:Amazona festiva
原産:アマゾン川流域(ブラジル北西部、コロンビア南東部、ペルー北東部、エクアドル東部)
Size:34-35cm 350-400g
亜種:無
アカビタイムラサキボウシインコは亜種から独立して分離
RED-LIST

英名の「Festive amazon」は直訳すると「お祝いのアマゾン」。

検索ワードが通販最大手amazonのフェスティバルのような…

由来はおそらく人名なのでしょうが、どなたの事かは特定出来ておらず。

このムラサキボウシインコは非常に珍しいボウシインコで、そう滅多に目にする機会もありません。

日本でごく稀に「ムラサキボウシインコ」として販売されているのは「アカビタイムラサキボウシインコ」の誤りで別種です。

アカビタイムラサキボウシインコも十分珍しいのですがー

そのアカビタイムラサキボウシインコと比べると、頬の紫色は薄く、額の赤色ラインも薄く細くて柔らかい印象をうけます。

普段は翼で覆われて見えない腰の部分には派手な赤色が広がっており、これがムラサキボウシインコとアカビタイムラサキボウシインコの最大の特徴で、別称「Red-backed Amazon」の由来です。

また、アカムラサキボウシインコはムラサキボウシインコの亜種とされてきましたが、別種として独立昇格します。

ムラサキボウシインコという和名は似合っていない印象をうけますが、とても好みで素敵なボウシインコの1つです。コシアカボウシインコという和名なら似合いそう…

 

アカビタイムラサキボウシインコ Northern Festive Amazon について

亜種から独立するもう1つのムラサキボウシインコ、アカビタイムラサキボウシインコ

Psittaciformes Psittacidae Amazona bodini
属名:Amazona ボウシインコ属
和名:アカビタイムラサキボウシインコ
英名:Northern Festive Amazon , Bodinus' amazon
学名:Amazona bodini 旧:Amazona festiva bodini
原産:オリノコ川流域(ベネズエラ東部,ガイアナ東部)
Size:34-36cm 370-574g
RED-LIST

ムラサキボウシインコの亜種から別種として独立することになるアカビタイムラサキボウシインコ。

昇格後は学名、標準英名が変更されます。

旧:Amazona festiva bodini Bodinus’ amazon
新:Amazona bodini Northern Festive Amazon

ムラサキボウシインコとアカビタイムラサキボウシインコは頭部の配色が異なります。

アカビタイムラサキボウシインコの頭部は赤色がハッキリしており、頬の紫色も広くあります。

また、どちらともに共通して普段は翼で覆われて見えない腰の部分をめくると非常に派手な赤色になっており、これがムラサキボウシインコの最大の特徴です。

ムラサキボウシインコの別称「Red-backed Amazon」とは、これが由来です。

「Bodinus」の由来は、ドイツの医師で愛鳥家だったKarl August Heinrich Bodinus博士(1814〜1884年)の事で、博士はケルン動物園とベルリン動物園のディレクターも務めていたそうです。

アカビタイムラサキボウシインコの繁殖は歴史が古いわけではなく、1980年のアメリカが最初のようです。

その後、1986年~1988年にガイアナからアメリカへ340羽(死亡率20%で実質は約250羽)のアカビタイムラサキボウシインコが大量輸入され、その後90年代以降に繁殖の成果はぼちぼちあがっていくものの、新たに輸入される個体には病気や難が多いとか。

また、基亜種とされたムラサキボウシインコはアメリカへの商業輸入記録が無い?そうで、かなり珍しいとも。

そういった背景も理由にあるのか、アカビタイムラサキボウシインコがムラサキボウシインコとして流通している事もあるようです。

私が見た個体の顔立ちはムラサキボウシが可愛い系で、アカビタイムラサキはどれも凛々しい系です。

アマゾン対決5種7羽

アオマエカケインコ Ochre-marked Parakeet について

ペリコ・グランデ!
ウロコメキシコインコ属の最大種にして唯一のサイテスI類、アオマエカケインコ

Psittacoidea Psittaculidae Pyrrhura
属名:Pyrrhura ウロコメキシコインコ属
和名:アオマエカケインコ 青前掛鸚哥 
英名:Ochre-marked Parakeet / Blue-throated Parakee , Blue-chested conure , Red-rumped Conure …etc 
学名:Pyrrhura cruentata
亜種:なし 
Size:28-30cm 90-110g
性差:なし
原産:ブラジル(大西洋側:エスピリトサント州,バイア州など)
RED-LIST:VU
CITES Appendices I

アオマエカケインコはブラジルの固有種で、ウロコメキシコインコ属の最大サイズとなる30cm100g級。

スペイン名では大きいインコを意味するペリコ・グランデ(Perico grande)と名付けられています。

和名は襟元の青い羽を前掛けと見立てたものです。

英名のOchre-marked Parakeetは黄土色の印のインコで、他にも妙に沢山の通称があります。

カラフルで独特の配色だけに印象が様々だからなのでしょう。

学名Pyrrhura cruentataのcruentataは「酸化した血(=えんじ色)」でしょうか。

血の色に染まった身体と赤い尾のインコという表現もどうかと思いますが…

なお、ウロコメキシコインコの英名はMaroon-bellied parakeetで、maroonは英語のえんじ色です。

その昔、アオマエカケインコはブラジルの広域に数多く生息し、珍しいインコではありませんでした。

近年は生息域が急速に失われつつ断片化もしており、孤立を深めてさらに状況が悪化中とされています。

ワシントン条約締結とともにI類として登録され、ウロコメキシコインコ属としては今でも唯一の登録種です。

但しIUCN RED-ListではVU(絶滅危惧II類)と深刻度は低く、ウロコメキシコインコ属にはもっと危機的な絶滅危惧種種のネズミムネウロコインコやアカエリアカオウロコインコなどもいますので、サイテスに関してアオマエカケインコの人気も理由だったのでしょう。保護もですが価格もあがりますし。

また、欧米では繁殖個体が安価に出ているはずで、ワシントン条約事務局登録施設ぐらいありそうなものですが、単価が合わないのか見ませんね

アオスジヒインコ Blue-streaked Lory Eos reticulata について

Eos(ヒインコ属)にしてChalcopsitta(テリハインコ属)のような蛍光筋羽入りのアオスジヒインコ

Psittacoidea Psittaculidae Loriinae Loriini Eos
オウム目 インコ科 ヒインコ亜科 ヒインコ族 ヒインコ属
和名:アオスジヒインコ
英名:Blue-streaked Lory , Blue-necked Lory 
学名:Eos reticulata 
亜種:なし
Size:31cm 145-160g
原産:タニンバル諸島,ババル諸島
Subspecies:non

目元から首襟にかけて蛍光色の青い筋のような羽をもつのが特徴的で

和名のアオスジヒインコ、英名のBlue-Streaked Loryはそれが由来です。

学名のReticulataは、網状のといった意味のようです。

ヒインコ亜科ヒインコ属の基亜種は全部で6種。

・ヤクシャインコ Eos histrio Red and Blue Lory
・コムラサキインコ Eos squamata Violet-necked Lory
・ヒインコ Eos bornea Red Lory
・アオスジヒインコ Eos reticulata Blue-streaked Lory
・クラカケヒインコ Eos cyanogenia Black-winged Lory
・ホオアオインコ Eos semilarvata Blue-eared Lory

この6基亜種の中で、アオスジヒインコ、クラカケヒインコ、ホオアオインコの3種は容姿が比較的似ています。

そしてこの3種には亜種が存在しないという共通点もあります。

ただ、テリハインコ属のような蛍光する青い筋のような羽はヒインコ属では唯一アオスジヒインコだけのものです。

アオスジヒインコの原産はインドネシア東部のタンニバル諸島ババル諸島

タンニバル諸島といえば地名がそのまま種名となっているTanimbar CorellaCacatua goffiniana シロビタイムジオウム)と同じ生息域です。