ヤシオウム図鑑 Palm Cockatoo,Probosciger aterrimus

ヤシオウムパラダイス
ジュロンバードパークのヤシオウムパラダイス

私の一番好きなオウム、ヤシオウム。ヤッシー!

Psittacoidea Psittaculidae Probosciger aterrimus
分類:オウム目 オウム科 ヤシオウム属
和名:ヤシオウム(椰子鸚鵡)
英名:Palm Cockatoo
俗称:Goliath cockatoo , Great black cockatoo
学名:Probosciger aterrimus
Size:49-68cm 500-1200g
性的二型:♂>♀ 体格差が顕著に違う
原産:ニューギニア島,アルー諸島,ミソール島,オーストラリア(ケープヨーク半島)など
RED-List
CITES Appendix I , 22/10/1987
亜種:4
Probosciger aterrimus
P. a. aterrimus ミソール島,アルー,西パプアなど
P. a. macgillivrayi 南ニューギニア,ケープヨーク半島
P. a. goliath 西パプア,ミソール島,西&中央ニューギニア 
P. a. stenolophus ヤーペン島,北ニューギニア
統廃合
P. a. alecto 
P. a. intermedius
P. a. atenolophus

全身を黒い羽で覆われ、巨大な嘴に顔面の露出した赤い皮膚とクールな冠羽が派手で素敵なスペシャルオウム、ヤシオウム。

モヒカンのような冠羽は他のオウム同様にヘルメット風に収まる可動式です。

顔面の裸出した赤い皮膚は頬の黒い羽ですべてを覆い隠す事もできます。

感情や反射で冠羽の可動や裸皮の濃淡も変化もします。

同じ個体の変身ヤシオウム

口の中も顔面と同じく赤色で、舌の先端部分だけが黒くなっています。

よくよく見るとアイリングの下側も赤色が被っています。

見た目以外でヤシオウムを有名にしているのは、木の枝を打楽器のスティックとして木を叩くドラミングで、ディスプレイや警報といったコミュニケーションから巣となる木の非破壊検査などを行っています。

木の枝を叩いて鳴らす事自体はヤシオウムに限った行動ではありませんが、特にケープヨークのヤシオウムはその技能に長けており、スティックの改良もしながら音質とメロディーへの追求に拘りをみせます。

原産はニューギニア島の全域とその周辺諸島、およびオーストラリアのケープヨーク半島の熱帯雨林や森林地帯で、黒いオウムではオーストラリア以外に生息する唯一のオウムです。

パプアニューギニアでは狩猟対象にもなっていたり密漁もあるようですが、保全活動の成果もあってそれなりに安定は出来ており、IUCN Red List2016はLCです。

パプアニューギニアとケープヨーク半島の間には小さな島が幾つもありますが、直線距離で約150km。

ヤシオウムは1属1種4亜種(旧6~7亜種)の単型(モノタイプ)で、オウム科の分岐系統で最上流となる古代種とも言われています。

シルエットが遠からずのオカメインコ属に近いとする説や、完全に誤りですがBlack Macaw(クロコンゴウインコ)と記載されていたこともあります。

ヤシオウムの亜種は2~30年ほど前には6~7亜種とされていましたが、現在は4亜種に統廃合されています。

ヤシオウム

和名のある亜種は4種、フトサカヤシオウム,シマフトサカヤシオウム,ホソサカヤシオウム,コヤシオウム。

しかし、シマフトサカヤシオウム,ホソサカヤシオウム,コヤシオウムに紐付けられていた学名の亜種は揃って統廃合されており、残ったのはゴライアスのフトサカヤシオウムのみ。

ただ、P. a. alectoP. a. atenolophusとされているシマフトサカヤシオウムとホソサカオウムのどちらかは、ゴライアス級サイズで冠羽が細かいという亜種P. a. stenolophus ではないのかなという疑問も。

当時としては正確性が低いものも結構あるのは当然のことで仕方は無いのですが、ヤシオウムの亜種和名と学名との対照はいささか怪しく感じてもいます。

PalmCockatoo
TamangBurun(バリ バードパーク)の手乗りヤシオウム

学名Probosciger aterrimusの語源はラテン語で、Proboscigerは「とても長い鼻(嘴)」 aterrimusは「黒い鳥」の意味になります。

標準英名はPalm Cockatooで、俗称としてグレートブラックコカトゥー、ゴライアスコカトゥーなどとも呼ばれ、欧米でも人気の種です。

見た目のクールさと違って、特にブリード個体は非常によく馴れます。

とても小柄でふれあい担当のめっちゃさわれるヤシオウムには頬が緩みっぱなし(・Θ・)

飼育環境下での繁殖難易度はとても高いとされています。

40歳の高齢でも繁殖可能といわれていますが、通常の産卵ペースは2年に1度の1個だけ。

まだヤシオウムの雛を自分で撮影する機会に恵まれてはいませんが、いつか遭遇したいものです。

興味深いことに、ヤシオウムの孵化したての雛は羽が生えておらずの丸裸です。

他の黒いオウムたちの雛は黄色い産毛に覆われているので、このあたりも古代種ならではかもしれません。

さわれるヤシオウム

つい先日の2019年1月8日に、繁殖にも成功しているセルビアの個人ブリーダーのプライベート動物園から6羽のヤシオウムが盗難にあったというニュースがありました。

単純に高価だからということもありますが、サイテス1で指定繁殖所から出されるヤシオウムがおらず、血分けの需要もありそうです。

日本の動物園には東山動植物園と埼玉県こども自然公園にそれぞれ一羽おります。

常設展示されているのは東山動植物園のみで、残念ながら姿もよく見えない緑網の展示です(2016現在)。

東山動植物園の密輸没収個体ヤシオウム展示

随分前に白浜アドベンチャーワールドの個体を見に行った事があるのですが、どこにも見当たらないため尋ねてみると数日前に落鳥したと、、、いまは剥製で展示されています。

日本では非常に珍しいヤシオウムですが、海外では数こそ少ないながらも流通もしています。

一般的な小売値が200~300万円ほどなので日本基準であれば際立って高価でもないと感じますが、同価格帯ならスミレコンゴウインコの方が人気のようです。

ヤシオウム

 

もう日本にヤシオウムが商用目的で入ることは無いのでしょうが、うちならヒヤシンスよりヤシオウム(・Θ・)