コウロコボウシインコについて
エクアドル固有のボウシインコ、コウロコボウシインコ。
以前はキホオボウシインコの亜種とされていましたが、別種として昇格しています。
Contents
コウロコボウシインコの基本情報
分類:Amazona ボウシインコ属 学名(新:昇格表記):Amazona lilacina 学名(旧:亜種表記):Amazona autumnalis lilacina 亜種:ナシ 英名:Lilacine amazon 和名:コウロコボウシインコ 小鱗帽子鸚哥 性差:x Size:34cm , 350g 分布:南米|エクアドル(固有種) 野生下個体数:600-1700 / 2,500以下(BirdLifeInternational) CITES:Appendix II IUCN REDList EN 2014-
コウロコボウシインコの分布域
コウロコボウシインコは南米エクアドルの固有種で、エクアドルの南西部だけに分布します。
野生下における2019年現在における個体数は推定で1,700羽程度、最大でも3,000羽以下。
分布域は概ね南米西海岸湾岸部の大都市マンタあたりからエクアドル最大の都市であるグアヤキルを経てペルーとの国境近くまでのアンデス沿い。
Distribution map|BirdLifeInternational
コウロコボウシインコの保護区
コウロコボウシインコたちが就寝時にねぐらとして集まる最大のコロニーでは、約4~500羽ほどが確認されたそうです。
ねぐらの木は、イナゴマメの木(地中海地方原産のマメ科ジャケツイバラ亜科の常緑高木)を好んでいるようです。
エクアドルの生態系保全のNGO|FundaciónJocotocoによると、American Bird Conservancy(ABC)とRainforest Trustの支援をうけて
コウロコボウシインコが最も集まる「Las Balsas(ラス・バルサス)」の24,000㌶=東京ドーム約5133個という広大な熱帯林のうちの9,993㌶を保護区として2019年11月21日に取得したことを発表しています。
このコウロコボウシインコの保護区は20年契約だそうで、土地費用は1㌶あたり年間7米ドルの模様。
ラス・バルサスの森にはコウロコボウシインコ以外にも沢山の野生動物が生息しています。
ヒワコンゴウインコのエクアドル亜種(Ara ambiguus guayaquilensis)もその1つ。

ライラックが名称由来のコウロコボウシインコ
コウロコボウシインコの学名「Amazona lilacina」の種小名は「lilacina」。
語源はラテン語の「lilacinus」で、意味は「lilac-coloured(ライラック色)」。
英名「Lilacine amazon」も同様。
ライラック色とは、ライラックの花の色のことです。
ライラックの原産国はフランスで、現地では「リラ」と呼ばれています。
そのリラとは、コウロコボウシインコの学名lilacina(リラ・チナ)の由来。
ライラック色は紫色の淡いパステルカラーで、JISの16進数表記では■#C8A2C8■
ウロコボウシインコにコウロコボウシとウロコボウシモドキ
和名の由来は、キホオボウシインコの亜種とされていた頃の同属であるウロコボウシインコ(Amazona autumnalis salvini)より少し小型という事でしょう。
とはいえ、元となっているウロコボウシインコの命名自体に疑問もありますが…
ウロコボウシインコからの派生として命名された者はもう1種「ウロコボウシモドキインコ(Amazona Diadema)」がいます。
ウロコボウシモドキインコはコウロコボウシインコよりもずっと以前の1916年にキホオボウシの亜種から独立昇格しています。

キホオボウシインコの亜種から別種に昇格
キホオボウシインコ(Red-lored Amazon , Amazona autumnalis autumnalis)とは、北米~中米にかけて分布するボウシインコを代表するメジャーな1種です。
以前は「コウロコボウシインコ」「ウロコボウシインコ」「ウロコボウシモドキインコ」の3種は「キホオボウシインコ」の亜種として分類されていました。

2010年にコウロコボウシインコは別種へと昇格しました。
世界の機関でも独立種として再分類されていっていますが、最近の事なので多くの資料ではキホオボウシインコの亜種とされています。
このコウロコボウシインコの昇格は、主にチェスター動物園のMark Pilgrim(マークピルグリム博士)とLoro ParqueFundación(ロロパーク財団)が立役者だそうです。
以前話題となったコボウシインコに似た新種のボウシインコ「Blue-winged Amazon(Amazona gomezgarzai)」と違ってIUCNでも素早くRED-Listに登録しています。
RED-Listへは2014年の初回登録でEN(絶滅危惧)となり、現在もそのまま継続しています。
再編後の新分類
2020年現在での分類は下記の通り。(IOC World Bird List ver10ではまだ古い表記)
Amazona autumnalis autumnalis キホオボウシインコ Amazona autumnalis salvini ウロコボウシインコ(キホオ亜種) Amazona lilacina コウロコボウシインコ Amazona diadema ウロコボウシモドキインコ
和名では非常に紛らわしいことに、ウロコボウシインコの和名を冠する
ウロコボウシインコ,コウロコボウシインコ,ウロコボウシモドキインコ
の3種はすべて違う種となります。
素人目に一見するとよく似ており、販売店などでも間違われている事を目にします。
しかし、コウロコボウシインコはまずクチバシの色で容易に区別可能です。
コウロコボウシインコはクチバシの色が上下とも黒色なのも特徴です。
飼育下繁殖
野生下において希少なコウロコボウシインコですが、別種として昇格される以前から欧州での人工繁殖種は比較的一般的に行われています。
ヨーロッパでの雛流通卸価格も数万円程度でした。
編集中…
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